微分法の不等式への応用(2)

(1) 増減を利用した不等式の証明(微分法の不等式への応用を参照してください)
1 に対し、において、
[
証明] 数学的帰納法で証明します。
のとき、として、
()
より、は単調増加で、において、

よって、のとき与不等式が成り立ちます。 ・・・(T)
のとき与不等式が成り立つと仮定します。
つまり、
において、 が成り立つと仮定します。
のとき、 を微分すると、

ここで、と番号を付け替えると、
()
より、は単調増加で、において、

よって、のときも与不等式は成り立ちます。 ・・・(U)
(
T)(U)より、 に対し、において、 (証明終)
証明した不等式の右辺は、マクローリン展開n次以下の次数の項です。
また、不等式で
とすると、

となりますが、右辺の最初の10項の和は、で、eの真の値にかなり近い値です。

2
ではなく、1[rad]の正弦の値です。
[証明] のマクローリン展開: を知っていれば、各項の符号を考えて、
という不等式が成り立ちそうです。まず、この不等式を証明します。
とおくと、



よって、は単調増加です。において、
よって、において、は単調増加であって、
よって、において、は単調増加であって、
 ・・・@
とおくと、

()
よって、において、は単調増加であって、
よって、において、は単調増加であって、
よって、 ・・・A
@,Aより、
ここで、とすると、
 (証明終)

(2)
凹凸を利用する不等式の証明
例えば、
においてであって、この範囲でが下に凸だとします。
このとき、
となるについて、

が成り立ちます。
のとき、


入試の答案としては、わざわざ凹凸の定義に依らなくても、
として、のグラフが下に凸な範囲において、グラフ上の2を結ぶ線分はグラフの上側を通るから、線分上の点は、の上側にあり、におけるグラフ上の点と線分上の点のy座標について、
と説明をつけておけばよいでしょう。

3.のとき、 (京大理系'91前期[4])
[
証明] 右側の不等号の方が易しいので、こちらから証明します。上記の説明で、としただけのものです。
として、 ()
よって、のグラフは下に凸で、だとして、グラフ上の2を結ぶ線分はグラフの上側を通るから、線分上の点は、の上側にあり、におけるグラフ上の点と線分上の点のy座標について、 ・・・@
 ・・・A
の場合も同様で、なら明らかに、 ・・・B
A,Bより、
 ・・・C
左側の不等号についても凹凸から証明できないか、と、考えます。根号は
乗なので、このを使って、の形とするために、左側不等号両辺の対数を考えます。

 
従って、とすればよいことがわかります。
は、において定義できないので、の範囲で考えます。
のいずれであっても、あるいはであっても、 ・・・D は成立します。

()
よって、において上に凸です。@と同様に考えて、のとき今度は、となります。

 ・・・E
の場合も同様で、なら明らかに、 ・・・F
D,E,Fより、
 ・・・G
C,Gより、
のとき、 (証明終)

微分法の不等式への応用(2)その2へ続く


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