常用対数

10を底とする対数を常用対数と言います。
常用対数は、国家予算とか、日本の人口とか、太陽と地球との距離、というような、非常に大きな数、あるいは、非常に小さな数を扱うときに利用する道具です。
日本の国土の総面積は、
377889.20ですが、ぱっと見ただけでは、どれくらいの面積かピンときません。そこで、377889.20を、と書くようにします。これで、10万平方キロの3.8倍くらいだ、ということが、ぱっと見ただけでわかります。
統計データや、理科の観測データを、 ()
という形に表すときに、常用対数を利用すると、 ()となります。の整数部分がb (つまりの整数部分の桁数より1小さい数),小数部分がになります。
日本の国土の総面積の場合、
ですが、整数部分の51を加えた6が、日本の国土の総面積の桁数です。小数部分の0.57736448は、対数表を見れば、3.7788920であることがわかります。

100万円の資金があったとして、これを30年物の国債で運用したとします。実際には、半年ごとに償還されるので、得られる利益は複雑な計算式になりますが、単純に銀行の複利のように考えて、低金利の時代の低い利率1.3%30年でどれくらいの金額になるかを考えてみると、100万円の、倍になります。
と言われてもピンときません。そこで、常用対数を考えるのです。

 
対数表で、対数の値が0.1683となる真数を求めると、1.473です。つまり、です。
100万円の資金を30年物の国債で運用しても、30年後に、1473千円にしかならない、ということです。これでは、あまりうまみはありませんね。
そこで、利率の高かった
90年代の頃の利率5%だと30年でどれくらいの金額になるかを考えると、100万円の、倍になります。常用対数を考えると、

 
対数表で、対数の値が0.6357となる真数を求めると、4.322です。つまり、です。
これなら、
100万円が30年で、4322千円になりますから、悪い話ではありません。
利率が、
1.3%か、5%かということは、1年で見れば、1.013倍か、1.05倍かということで大した違いはありませんが、30年ということになると、相当に大きな違いになるのです。

対数の概数値を与えて、だいたいの数を推測させるという問題があります。

が与えられていれば、

となるので、概算値を1桁の精度で求めることができます。
例えば、
の概算値を求めよ、という問題の場合には、

となるので、小数部分の0.804が対数の値となる真数をxとすると、

となるので、です。
の桁数は、の整数部分の331を加えた34になります。

つまり、は、最高位の数字が6で、34桁の数だということがわかります。


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