鹿児島大理系数学'08[3]

eを自然体数の底とする。このとき、次の各問いに答えよ。
(1) 積分を計算することにより、次の等式を証明せよ。
(2) すべての自然数nについて、等式
が成り立つことを数学的帰納法により証明せよ。
(3) のとき、すべての自然数nについて、次の不等式が成り立つことを証明せよ。


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解答 マクローリン展開をテーマとした問題です。(2)は、数学的帰納法を参照してください。

(1) 部分積分法により、
 (1項の[ ]では、x0tに代入することに注意!)

 (証明終)

(2) (T) のとき、(1)より、与式が成り立ちます。
(U) のとき、与式が成り立つと仮定すると、
 ・・・@
のときには、という定積分が登場しそうです。この定積分を、部分積分法により計算してみます。

となって、@の右辺に出てくる定積分が顔を出します。
これを@に代入すると、
よって、のときも与式は成り立ちます。
(T)(U)より、すべての自然数nについて、与式が成り立ちます。(証明終)

(3) において、です。これより、nを自然数とするとき、です。従って、となります。

よって、(2)の等式より、
 ・・・A
 (証明終)

追記.金沢大理系後期にも類題が出ていて、とおくとき、が成り立つことを示す問題です。上記をもじれば、解答できるでしょう。なお、上記(3)のAにより、
となります。のときより、

xを固定して、とすると、右辺→0より、
これより、
と表せます。これをマクローリン展開と言います。
となることを知っていると、不等式の証明(微分法の不等式への応用(2)を参照)などでいろいろなアイデアが湧くことがあります。
のマクローリン展開は、
 (は奇関数。の奇数次の項を抜き出し、1項ごとに±を入れ替えたものになっている)
となりますが、を証明するような問題(兵庫県大'08)は、ここから来ています。
茶女大
'95年理系では、
を示せ。ただし、11ラジアンの意味である。
という問題が出ていますが、を証明して、を代入すれば、
となります。


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