広島大理系数学'09[3]

曲線上の点Aにおける接線をとし、点Bを通り直線に平行な直線をmとする。直線mと曲線2つの交点PQx座標をそれぞれαβ (ただし)とする。直線と直線の交点を,直線と直線の交点をとする。次の問いに答えよ。
(1) 平行四辺形の面積Sαβ で表せ。
(2) 直線mと曲線によって囲まれる図形の面積Tαβの多項式で表せ。
(3) 線分PQの中点Rは第2象限にあることを示せ。
(4) であることを示せ。


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解答 不等式の証明に曲線の凹凸を利用する、という技巧が知られていますが、少々アレンジして凹凸を考えてみよう、という問題です。

(1) とします。
より、Aにおける接線は、
ここで、とします。同様に、Bを通りに平行な直線は、
m
として、と連立すると、
 ・・・@
のグラフは下に凸なので、右図より、方程式@は相異なる2実数解をもちます。題意より、小さい方の解がαで大きい方の解がβ です。従って、
 ・・・A
が成り立ちます。

直線
mは直線y軸正方向に1平行移動させた直線なので、平行四辺形は、底辺の長さ1,高さの平行四辺形で、その面積Sは、
......[]

(2) 求める面積Tは、
Aを用いて、
......[]

(3)(4) P,点Qy座標より、線分PQの中点Rが第2象限にある、ということは、Rx座標ということです。(4)と合わせて、
 ・・・B
を示せばよいわけです。
こうした問題で不等式の証明をする場合に、曲線の凹凸に着目するとうまく行く場合があります。
下に凸な曲線上の点はその接線から上に来るので、点
P,点Qに着目すると、
より、
 ・・・C
という不等式ができます。
また、下に凸な曲線上の
2PQを結ぶ線分 ()上の点は、曲線から上に来るので、PQの中点について、
とAより、
 ・・・D (とおけば、相加平均・相乗平均の関係:が導けます)
という不等式ができます。ですが、C,DからBを導き出すことができません。本問では、凹凸に着目するだけでは、Bよりも甘い不等式しか導けないのです。そこで、(1)(2)で考えた面積を利用して、曲線の凹凸の具合をもっと厳しく評価せよ、というのが題意です。
(1)(2)を使うと、曲線の曲がり具合について、直線mと曲線とで囲まれる部分の面積Tが平行四辺形の面積Sよりも小さいという不等式を作ることができます。
また、曲線が下に凸であることから、線分
PA上の点は曲線から上にあり、線分AQ上の点は曲線から上にあり、面積Tは、三角形PABの面積と三角形QABの面積の和、つまり、平行四辺形の面積Sよりも大きいという不等式を作ることができます。従って、

()
で割ると、

これでBが導けました。線分PQの中点Rは第2象限にあり、です。


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