大阪教育大数学'09[4]

1個のさいころをn回投げるとき、k回目に出た目をとし、それらの積とする。そしてr桁の自然数となる確率をとする。次の問いに答えよ。
(1) のとき、nを用いて表せ。
(2)(i) 1個のさいころをn回投げるとき、1以外の目がちょうどs回出る確率をとする。sを用いて表せ。
(ii) を求めよ。


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解答 (2)(ii)が難問です。(i)をどう利用するかがポイントです。

(1) いろいろな考え方が可能ですが、ここでは、(2)をにらんで、n回さいころを投げるときに1以外の目が何回出るか、ということで分類して考えてみたいと思います。
1桁の自然数になるのは、以下の4つの場合です。
(a) n回すべて1が出るとき、1通り。
(b) 1以外の目が1回出るとき、その1回に出た目が26までの5通り、26の目がn回のうちのどの1回に出るかがn通りで、通りあります。
(c) 1以外の目が2回出るとき、その2回に出た目が、

6通りあり、この2回がn回のうちのどの2回かが通りで、通りあります。
(d) 1以外の目が3回出るとき、その3回に出た目が、1通り、この3回がn回のうちのどの3回かが通りあります。
n回さいころを投げるとき、目の出方は通りあって、求める確率は、
......[]

(2)(i) 1以外の265通りの目がs回出るのが通り、1以外の目が出るのがn回のうちのどのs回かが通りで、n回さいころを投げて1以外の目がちょうどs回出る確率は、
 ・・・@ (反復試行の確率を参照)
 (数列の極限を参照)
......[]
(ii) まず、n回すべて1,あるいは、1以外の目の出るのがちょうど1回のときには、1桁の自然数で2桁になりません。
2桁の自然数になるのは、例えば、1以外の目が2回出るとき、その2回に出た目が、
19通りあり、この2回がn回のうちのどの2回かが通りで、通りあります。
ですが、このまま、
1以外の目が3回出るとき、4回出るとき、と、やっていくと大変なことになります。そこで、(i)の利用を考えます。
と言っても、どう利用するのか、なかなか思い浮かびません。一つ気づきたいことは、
1以外の目が出る回数はいくら多くても良いわけではない、ということです。から考えると、1以外の目が7回以上出てしまうと、となってしまいます。従って、2桁の自然数になるためには、1以外の目の出る回数は、2回か、3回か、4回か、5回か、6回のいずれかでなければならないのです。
そこで、上記の通りの場合を考えると、この目の出方の集合は、
1以外の目が2回出る場合の目の出方の集合の部分集合です。ということは、n回さいころを投げて、1以外の目が2回出て、かつ、2桁の自然数となる確率をとすると、になるということです。
さらに言えば、として、
n回さいころを投げて、1以外の目がs回出て、かつ、2桁の自然数となる確率をとすると、となります。これで、(i)が利用できそうです。
n回さいころを投げて、2桁の自然数になる確率は、
 ・・・A
なので、
 ・・・B
です。これで、自体を求めるのは難しくても、は、はさみうちにするのだろう、という問題の構図がおぼろげに見えてきます。
Bにをかけると、右辺は、@を用いて、
 ・・・C
ここでとすると、の項からの項ではとなり分母にnが余計にあるのでとなりますが、の項だけ分母にnが残らずとなり、のときに、Bの右辺はとなることがわかります。だからと言って、ではなく、であることに注意してください。
そこで、今度は、よりも小さくなるものを探します。これもすぐには探せないので、まず、Cでのときに有効な寄与をする項がの項だけというところに目を付けます。これは、で割って極限をとるからで、
6個の連続整数の積が出てくるの項が有効になるのです。そこで、の中で、で割って極限をとるときに有効になりそうなを考えてみます。Aにおいて、のときにであることは明らかなので、です。
は、
n回さいころを投げて、1以外の目が6回出て、かつ、2桁の自然数になる確率です。この6回の目の出方は、などから考えて、
2通りしかありません。
の方は、
n回のうちどの6回で2が出るかと考えて、通り、
の方は、
n回のうちどの6回で23が出るかが通り、6回のうちどの回が3かが6通りで、通り、

をかけて、とすると、
 ・・・D
この極限値は、先ほどCの右辺でとしたときの極限値と食い違っています。Bのままでは、はさみうちの形にできないのです。なので、Bの右辺のうち末尾のとしても、
となります。ここで、のとき、であったことを思い起こせば、はさみうちの形が得られたことがわかると思います。結局、
 ・・・A
において、のときであることから、
をかけて、
ここで、とすると、Dと、のときであることから、左辺、右辺とも、
となり、はさみうちの原理より、
......[]
追記.予備校講師のようなプロなら最初からが支配的だろうということに気づくと思いますが、一般の受験生の皆さんは、いろいろと試行錯誤して最終解答にたどりつくので構わないと思います。


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