逆行列(その2)   関連問題


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この項目は、行列行列の積逆行列基本変形を参照してください。
ここでは、の場合の
n次正方行列の逆行列を考えます。大学入試には、ほとんど無関係です。どうしても、3次以上の行列の逆行列がどうなるか知りたい、という人のための項目です。
まず、少々準備をします。

12,・・・,nn個の自然数の並べ替えてできる順列は、通りあります。この集合とします。例えば、



  
  
  
  
  
です
(集合の要素の数を参照)
また、の要素の中で、は、から
341回入れ替えるだけで並べ替えが完了します。
は、から
34を入れ替えて、さらに、24を入れ替えて並べ替えが完了します。
の要素の中で、
12,・・・,nn個の数字を小さい順に並べた順列から出発して、2個の数字の偶数回の入れ替えで並べ替えが完了する順列を偶順列と呼ぶことにします。また、2個の数字の奇数回の入れ替えで並べ替えが完了する順列を奇順列と呼ぶことにします。
では、は奇順列、は偶順列です。
の要素に対して、となるすべての
2ijの組についてをかけ合わせたものを差積と言います。個の項の積になります。
の要素に対して、差積は、です。
の要素に対して、差積は、です
(と比べると、が入れ替わっている)
です。
の要素に対して、差積は、です
(と比べると、が入れ替わっている)
です。
一般に、の要素に対する差積をとして、の要素で奇順列となるものは差積はとなり、偶順列となるものでは差積はに一致します。

ここで、という記号を、次のように定義します。
   の要素
σが偶順列ならσが奇順列なら
では、です。
では、となります。

前置きが長くなりましたが、
n次正方行列A成分をとすると、行列Aの行列式は以下のように定義されます。
    
()
ここで、の要素σの順列がだとします。
の要素であれば、です。
Σは、のすべての要素について加え合わせる、という意味です。


A2次の正方行列の場合には、

 

A3次の正方行列の場合には、

  
  
 

行列式を、のようにも表しますが、絶対値と間違わないようにしてください。行列式は、ということもあり得ます。


(1) です。なぜなら、行列式の定義()において、の要素すべてにわたって足すときに、以外の項はすべて0だからです。同様に、


(2) j行がすべて0である行列の行列式は0です。なぜなら、行列式の定義()において、足しあわされるすべての項に、第j行の成分が含まれて、すべての項が0になるからです。

(3) j行のすべて成分に定数cをかけると、行列式もc倍になります。なぜなら、行列式の定義()において、足しあわされるすべての項に含まれる第j行の成分c倍されるからです。

(4) 行列Aの転置行列の成分は元の行列の成分の行番号と列番号を入れ替えたもので、行列式は、のようになりますが、σが行列Aで偶順列なら転置行列でも偶順列、行列Aで奇順列なら転置行列でも奇順列なので、転置行列の行列式が、元の行列の行列式に一致することが証明できます。つまり、

これより、行列式に関して、列について成り立つことは行についても成り立ちます。行について成り立つことは列についても成り立ちます。


(5) j行がすべて、という形をしている場合、行列式の定義()より、

 
 
 
     


(逆行列(その3)につづく)


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