慶大理工数学'07[A3]検討

[A3](解答はこちら) 円周上を進んだ後、直線的に進む動点の最小所要時間を考える問題で、円周上というのが少々珍しいですが、過去にも類題が何度か出ています。
誘導通りにやって行けばできますが、
()だけ、まともにやると時間がかかってしまうので、「数学としては考えもの」ですが、のときに最小となる限界においては、になるだろう、それなら、
より、がさかい目だろう、ということで、必要十分条件かどうかはさておいて、()の解答欄にと書き込んでしまうのが実戦上では良いと思います(だから、慶大理工は空所補充式をやめるべきだと私は思うんですね)
(4)が何をやろうとしているのか意味不明の問題ですが、物理に出てくる屈折の法則:
(媒質T中を速さで進んできた光が入射角aで境界面に入射して屈折し、屈折角b で媒質U中に入ると速さで進む)
を証明させる問題(鳥取大工医'93[3])を思い出します。
平面上に直線LL上にない2定点ABがある。ABよりLに下ろした垂線とLとの交点をそれぞれとする。L上の任意の点をXとする。Aを出発してAX上を速さXB上を速さで動く点Pがある。点XLに立てた垂線と線分AXBXとのなす角をそれぞれab とするとき、点Aから点Bまで動点Pが最小時間で達するならば、が成り立つことを証明せよ。ただし、線分の長さをそれぞれ、abcxとする。(一部省略)
次のように解答することができます。
 ・・・@
これより、 ・・・A
@より、
逆関数の微分法の公式より、
 ・・・B
より、AからBまでの所要時間t は、
ab xの関数であることに注意して、合成関数の微分法を用いて、xで微分します。
Aを用いて、
Bを用いて、

x0からcまで変化するとき(これ以外では明らかに遠回りになる)a0から単調に増加し、b は単調に減少して0に近づきます。このとき、は最初負の値で単調に増加して正となります。
従って、所要時間が最小になるとき、
となり、が成り立ちます。

さて、慶大理工
'07[A3](4)に戻って、この問題も屈折の法則のように考えられないものでしょうか?AからPまで円周上を進むわけですが、Pで屈折すると考える分には、原点Oを中心とした半径1の円の点Pにおける接線上をPまで進んできて円の内側に入ろうとして屈折すると考えてよいでしょう。すると、入射角はで屈折角はです。上記の屈折の法則にあてはめると、
となり、となります。


TOPに戻る   CFV21 メイン・ページ   考察のぺージ

(C)2005, 2006,2007, 2008 (有)りるらるNewton e-Learning
 雑誌「大学への数学」購入
inserted by FC2 system