慶大理工数学
'07
年
[B1]
検討
[B1]
(
解答は
こちら
)
解答にも書きましたが、本問で取り上げられている、
をみたす多項式
は、
x
の
n
次式となり、チェビシェフの多項式と言います。
同様に、
をみたす多項式
は、
x
の
次式となり、こちらもチェビシェフの多項式と言います。
,
,・・・
,
,・・・
より、
を
x
と書き換えて、
,
,・・・
,
,・・・
となります。
,
,・・・
と順次求めてゆくのに便利な公式があります。和を積に直す公式を用いて、
これより、
∴
・・・@
同様に、
これより、
∴
も@と同形の漸化式に従います。
本問も、漸化式@を用いて、
と求めることができます。ただし、漸化式@は暗記すべき受験技巧というわけではありません。試験場では、和を積に直す公式から導くようにするべきです。
少し先の方まで求めてみます。
本問と同様にして、
とすると、
の範囲では、
より、
方程式:
の解から
を除いて考えれば、方程式:
において解と係数の関係を用いることにより、
,
が導けます。
〜
あたりを見ていると、最高次の係数がだんだん
2
倍されていることがわかります。漸化式@の
に
2
がかけられているからですが、
が最高次の項の係数が
の
n
次式となることは、数学的帰納法で簡単に証明できます。
上記と同様にして、
とすると、
の範囲では、
(
)
となりますが、
は
n
次方程式なので、
の範囲で
が単調であることを考えると、
(
)
が、
のすべての解になります。
また、
(
k
は
をみたす整数
)
のとき、
となるので、
(
k
は
をみたす整数
)
のとき、
となるので、
のグラフは、
,
,
より、
,
をみたす正方形の領域にすっぽりと収まり、
,
においては、単調なグラフとなります。
また、
n
が奇数の場合、
と
の
2
点を通り、この間で、
と
の間を
往復半し、
x
軸と
n
回交わります。
n
が偶数の場合、
と
の
2
点を通り、この間で、
と
の間を
往復し、
x
軸と
n
回交わります。
の両辺を
θ
で微分すると、合成関数の微分法を用いて、
(
は
を
で微分することを意味します
)
これより、
となるような
θ
において、
が成り立ちます。これより、
(
)
のとき、
となるので、
(
複号は、
k
が奇数のとき+,偶数のとき−
)
となりますが、これをもう少し複雑にした問題が、
'95
年山梨医大
[3]
にあります
(
山梨医大は現山梨大医学部です、以前、歩いて行けるくらいのところに住んでいました
)
。
さて、長々とチェビシェフの多項式
について書いてきましたが、本問は、これらを熟知していなければ解けない、という問題ではありません。
が扱いやすい関数になるので、入試問題の題材としてよく取り上げられるのですが、せいぜい、
,
の正方形の中にグラフがすっぽりと収まる、お行儀の良い関数だ、ということくらいを知っていれば解けるものがほとんどで、上記の内容を暗記しようなどとは間違っても思わないようにしてください。読み流して理解できていれば充分です。
本問では、三角関数の基礎事項、倍角の公式、和を積に直す公式あたりと、
3
次方程式の解と係数の関係を思いつければ
((2)
が思いつかせようとしています
)
、最終解答にたどりつけるはずです。
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