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同じ大きさの箱が横に
3個並べてあり、その中の1つには、1からn (
)までの相異なる番号のついたn枚の札が入れてある。次の操作を繰り返すことによって、別の1つの箱にn枚とも移したい。操作:1つの箱の中で、一番小さい番号のついた札1枚を別の箱に移す。ただし、移そうとする札の番号より小さい番号の札が入っている箱には移すことはできない。
いま、n枚の札全部を別の1つの箱に移しかえるために必要な操作の最小数を
とすれば
= コ
+ サ が成り立つ。よって
をnの式で表せば、
= シ である。 [答](キ) 1 (ク) 3 (ケ) 7 (コ)
は、とりあえず1〜
を2番目の箱に移して(
回)、番号nを3番目の箱に移し(1回)、2番目の箱の
枚を3番目の箱に移す(
回)と考えて、
より2 (サ) 1 (シ) 
[A3](解答はこちら) この問題くらいが、慶大理工の入試問題として適切なレベルだと思います。2次方程式の実数解に関する技術も必要だし、頭を使う部分もあるし、良問だと思います。
(2)では、問題文の指示通りに、aについて場合分けできるか、さらに、
の場合には、放物線の軸の外側に実数解を持つためには判別式≧0であればよく、
の場合には、判別式はどうでもよくて直線が限界の点
の上を通りさえすればよい、ということに気づければ良いわけです。
(3)で妙な記号
が出てきますが、記号の意味をつかんでグラフを描いて(2)と同様に考えることができれば、難しいわけではありません。新しいものにも意欲的に挑戦していこう、という気持ちがあれば、正解できるはずです。
[A1]や[A2]では差がつかないので、こういう見慣れない概念が登場する問題でこそ得点の稼ぎどころなのですが、試験場にいる時だけ見慣れない概念について行こうとしても無理というものです。入試に関係ないから世界史の勉強はやりたくない、などと言わずに、日常から幅広く興味の対象を持って頭脳を柔らかくしておくことが、こういう問題をものにする秘訣です。
[A4](解答はこちら) この問題はまともに体当たりするとなかなか大変です。空所補充式だから手抜きをして良いというわけではありませんが、試験場ではうまく立ち回らないと得点的に不利になってしまいます。
垂直二等分線の式、対称点の座標を求める部分については、基本通りにしっかり計算をする必要があります。しかし、それ以降については、空所補充問題であること、
,
,
をチェックしていることから考えて、私には、出題者が論理的な思考を要求しているようには思えないのです。最終解答しか聞いていないのだからいい加減な議論でも良い、ということではなく、むしろ積極的に空所補充問題であることの意義を活用して、直観力を見ている問題のように思えます。「必要十分条件は」というような言葉に惑わされないようにして頂きたいと思います。
この問題の市販本の解答は、ロジックのしっかりとしたものになると思います。それは宿命でしょう。しかしながら、市販本のように解いたのでは時間を大幅にムダにするということも頭に入れておいてください。空所補充式では、受験生が試験会場で必要十分条件であることをしっかり証明をしたかどうか、また、きちんと増減表を書いて計算して確かめたか、ということは、全く見てもらえません。解答欄の答が正しいか誤りか、それだけが採点の対象になるのです。
実社会に出て社会の第一線で仕事をするようになったときに、例えば、大災害が起きて一刻も早く救助活動を開始しなければいけない、というときに、その救助の方針や手法が理にかなったものかどうか、証明しなければ活動できない、とか、計算して経済的妥当性を確認する必要がある、などと言っているうちに人命が失われてしまいます。たとえ、いい加減な議論でも、行動の速さが問われるということもあるのです。
この問題のポイントは、P(1)が尖点だというところにあります。これさえつかめれば、(ハ)(ヒ)(フ)は計算なしに得点することができます。
尖点の存在がポイントになる問題を紹介しておきましょう。難問ですが腕に覚えのある人はじっくり取り組んでみてください。
東大理系'87[2]:
点

を点

にうつす平行移動によって曲線

を移動して得られる曲線を
Cとする。Cと曲線
,
が接するようなa,bを座標とする点
の存在する範囲の概形を図示せよ。
また、この2曲線が接する点以外に共有点を持たないようなa,bの値を求めよ。ただし、2曲線がある点で接するとは、その点で共通の接線を持つことである。
問題文では「範囲の概形」となっていますが、尖点をもつ曲線になります。尖点を境にして放物線:
と
の位置関係が変わります(おもしろいので、いろいろ図に描いて確かめてみてください)。また、両曲線が接点以外に共有点を持たないとき、
は概形を描いた曲線の尖点になっています。実は、このとき、両曲線は非常に微妙な接し方をしています。
[B1](解答はこちら) 慶大理工は、最近、区分求積法を利用する問題をよく出しています。苦手にする人が多いので、よく理解しておきましょう。この問題では、(1)だけでなく、(3)でもポイントになるところです。もっとも、(3)は、
,
,
を調べれば予測がついてしまいますが。
(4)をいきなり示せ、と、言われると、厳しいかも知れませんが、(3)を利用するのだろう、と、思えば、
に気づけるはずです。
この論述問題も、やれどもやれども出口が見えてこない'02年[B1]などの重量感と比べてしまうと、一時ほどの迫力は感じません。手間のかかる早大理工'08[2]などと比べても、ずっと穏やかな感じがします。ちょっと寂しい感じがしますね。
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