慶大理工数学'09[A1]検討

[A1](解答はこちら) ことしの慶大理工の[A1]は特に検討するほどのこともない易問です。各学校の授業をよく聞いていれば、どんな受験生でも解答できるはずの問題です。
大学入試に深い思考力を要求するような問題が出題されると、難問奇問を出す大学入試が教育を歪めている、と、よく言われます。確かに、
東大理系09年前期[6]のような問題は困りますが、かと言って、本問レベルまで下げてしまうのはどうか、と、私は思います。
教科書レベルの基本問題もできない人間が、高難度の問題に挑戦できるのか、というようなことを言う先生が多いのですが、東大理系
09年前期[6]でそこそこの答案を書くのに、本問のような基本問題になるとやたらとミスを連発する、という受験生を、私は何人も見てきました。難問に積極的に挑戦するのだけれども、簡単な問題ではミスだらけになる、という人は実際にはかなり多いのです。易問でミスをしない人間を合格させてしまえば、難問に挑戦する人がいなくなってしまう、と、私は思います。
さりとて、数学のセンター試験のような試験も課されているので、受験生は、易問でミスをしない対策も充分に考えておかなくてはいけません。
本問では、ミスをこわがって、ていねいに見直しながらやっていくと、
[2][5]に取り組む時間が足りなくなります。しかも、ミスの多い人に限って、見直しをしたときにミスをやらかすのです。また、試験会場で、と因数分解してしまう人は、時間をかけて何度見直しても、に見えてしまうのです。多分、脳の血液の温度が上がりすぎて、脳内で視神経の回路と積の計算をする回路が切れてしまうのだろうと思いますが、熱くなっているときに、検算をしても無意味だということです。
かく言う私もミスが多いのですが、以前、雑誌「大学への数学」の東京出版の方に、一度、全く別のことをやって完全に忘れてから見直す、というチェックの手法を教えて頂きました。本問で言うのなら、見直しなしで、さっと、
5分程度で(1)(2)(3)の答案を書いてしまい、即、[2][5]に飛んでしまうのです。見直しをしっかりやってしまうと、視神経回路と積の計算回路の切れた状態が定着してしまい、[2][5]を解いて戻ってきても、切れた状態が維持されたままになるかも知れません。切れた状態が、[2][5]を解いている間に、復旧している必要があるので、最初は、どんどん答案を書いてしまって、戻ってきたときに、初見の感覚で見直すようにします。自分のミスには気づかないくせに、他人のミスにはやたらと気づく、というのは、新鮮な目で客観的に眺めるとミスに気づきやすい、ということなのです。


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