慶大理工数学'11[A4]

1辺の長さが1の正五角形の5つの頂点に反時計回りにABCDEと名前をつける。いま、初めに頂点Aに白玉を1個、頂点Cに赤玉を1個置き次の操作を繰り返し行う。

 [操作] コイン1枚とさいころ1個を同時に投げる。コインの表が出たら白玉を、裏が出たら赤玉を選んでさいころの出た目の数の長さだけ正五角形の辺上を反時計回りに動かす。また、玉が到達した頂点に別の色の玉がある場合は、玉を動かす前にあった2つの玉の位置を入れ替えるものとする。


例えば1回目にコインの表とさいころの6の目が出たとすると白玉がABCDEABと動き、白玉の位置が頂点Bとなる。続いて2回目にコインの裏とさいころの4の目が出たとすると赤玉がCDEABと動き、到達した頂点Bに白玉があるので、赤玉を頂点Bに置き、頂点Bにあった白玉を頂点Cに移す。
以下、
2つの玉が正五角形の隣り合う2頂点にある状態を「状態(S)」と呼ぶことにする。
(1) 2回目の操作を終えたとき頂点Dと頂点Eに玉がある確率はである。
(2) n回目の操作を終えたとき状態(S)となる確率をとする。である。またの間にはという関係式が成り立つ。これよりnを用いて表すととなる。
(3) n回目の操作を終えたとき初めて状態(S)となる確率をとする。nを用いて表すとである。
いま、状態(S)となるまで操作を繰り返し、状態(S)となった時点で操作を終了する。ただし、操作をr回行っても状態(S)とならない場合はr回で操作を終了することとする。このとき、操作を行う回数の期待値をrを用いて表すととなる。

解答 推移確率2項間漸化式を使って考える問題です。n回目操作終了後の状態から1回の操作でどのように回操作終了後の状態に推移していくかを考えれば漸化式を作ることができます。

(1) 2回の操作終了後、玉がDEにあるのは、
Aにいた白玉がDに行って(表が出てさいころの目が3,確率)、かつ、Cにいた赤玉がEに行く(裏が出てさいころの目が2,確率)か、
Aにいた白玉がEに行って(表が出てさいころの目が4,確率)、かつ、Cにいた赤玉がDに行く(裏が出てサイコロの目が16,確率)
場合です。1回目と2回目に起こる事象が入れ替わる場合を考慮して、求める確率は、
() ......[]

(2) 白玉と赤玉の最初の位置が隣接していないので、1回の操作で赤白の入れ替わりが起こるときには、操作後に白玉と赤玉が隣接することはありません。
1回の操作で表が出て隣り合うのは、さいころの目が136となって、白玉がBDに行くときで、この確率は、
1回の操作で裏が出て隣り合うのは、さいころの目が24となって、赤玉がEBに行くときで、この確率は、
1回の操作で状態(S)となるのは、このいずれかの場合で、その確率は、
(
) ......[]
を計算したときの操作前の状況は、白玉と赤玉が1つの頂点を空けて位置している、という状況ですが、白玉と赤玉が隣接していないときはすべてこの状況にあります。つまり、状態(S)にない場合、白玉と赤玉は1つの頂点を空けて位置しています。を求めたのと同様にして、状態(S)にない場合、1回の操作で状態(S)となる確率はです。
状態
(S)にある場合、つまり、白玉と赤玉が隣接している場合、例えば白がAにいて赤がBにいる場合、1回の操作後に再び白玉と赤玉が隣接し状態(S)となるのは、
・表が出て、さいころの目が162つの玉の位置が入れ替わるか、さいころの目が25で白玉がCに行くかAに戻るときで、この確率は、
・裏が出て、さいころの目が42つの玉の位置が入れ替わるか、さいころの目が35で赤玉がEに行くかBに戻るときで、この確率は、
このいずれかの場合で、その確率は、
ここで、
n回目操作終了後の状態から1回の操作でどのように回操作終了後の状態に推移していくかを考えます。
n回目の操作終了後に状態(S)になく(確率)回目操作終了後に状態(S)となる確率は
n回目の操作終了後に状態(S)にあって(確率)回目操作終了後にも状態(S)にある確率は
回目の操作終了後に状態(S)にあるのは、このいずれかの場合で、その確率は、
() ......[]
 ・・・@ (2項間漸化式を参照)
 ・・・A
を解くと、
@−Aより、
これより、は、初項,公比
等比数列です。

(
) ......[]

(3) (2)の検討より、状態(S)にないとき、1回の操作で状態(S)になる確率がなので、1回の操作で再度状態(S)にない確率はです。
のとき、n回目の操作終了後に初めて状態(S)となるのは、回状態(S)でないことが続いて、n回目の操作で状態(S)になるときで、その確率は、
 ・・・B
1回の操作で初めて状態(S)となる確率は、で、Bはのときにも成立します。
() ......[]
状態(S)となった時点で終了するので、
のとき、
1回の操作で終了する確率は2回の操作で終了する確率は,・・・,回の操作で終了する確率は
r回の操作で終了する確率は、状態(S)になる確率が,状態(S)にならない確率が
操作を行う回数の期待値は、とおくと、
ここで、とおくと、
よって、
 ・・・C
明らかにのときなので、Cはのときにも成り立ちます。
() ......[]


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