慶大理工数学'13[2]

定数aを満たすとする。座標平面上において、直線とし、点Pとする。
を満たす
kに対して、直線を傾きがkで、点Pを通るものとする。このとき、2直線の交点のx座標はである。また、2直線およびy軸で囲まれた三角形の面積をとすると、である。このとき、が最小となるkの値を定数aを用いて表すとであり、の最小値をaを用いて表すとである。
以下、とする。を満たす
kに対して、直線を傾きがkで、点Pを中心とする半径の円と接し、かつ接点のy座標が2よりも小さいものとする。2直線およびy軸で囲まれた三角形の面積をとする。このとき、が最小となるkの値はおよびであり、の最小値はである。

解答 ちょっと見た目には平凡な最大最小問題に見えるのですが、やってみると地獄が待っています。実戦的には、後半はパスするか、カンで埋めておくのが賢明でしょう。

傾き
aの直線の方向ベクトルをy軸の方向ベクトルをとします(直線のベクトル方程式を参照)
直線と直線との交点の
位置ベクトル,直線y軸との交点の位置ベクトルをとします。題意よりです。を通る直線の傾きk(直線の方程式を参照)
 ・・・@
のなす角をαとして()より、
 ・・・A (三角形の面積を参照)
直線上の点の位置ベクトルを
 ・・・B
とすると、
 ・・・C
です(平面ベクトルの応用を参照)
また、点
Pの位置ベクトルについて、
とおくと、
Pは直線上の点なので、はBを満たします。このとき、
 ∴
Cに代入すると、
 ・・・D

@より、
 ・・・E
 ∴
よって、2直線の交点のx座標は、より、
() ......[]
Aと()の結果より、
() ......[]
Aより、の定数倍なので、Dの条件下にの最小値を考えます。相加平均相乗平均の関係より、
これより、
等号は、,つまり、のときに成立します。
このとき、Eより、

() ......[]
の最小値は、
() ......[]
別解.図形と方程式でやるなら、直線の方程式:
と連立して、
直線
y切片がであることから、
においては、のときに、最小値となります。

後半ですが、なので、直線の方向ベクトルをとします。
直線と直線との交点の位置ベクトルを,直線
y軸との交点の位置ベクトルをとします()
直線の方向ベクトルは,法線ベクトルはです
()
直線と円の接点
Rの位置ベクトルは、t を実数として、と表せます。
また、円の中心
Cの位置ベクトルをとして、円の中心Cから接点Rに向かうベクトルと平行で、とおけます。よって、
との内積をとると、
これより、円の半径がであることから、
とおき、分母を払って2乗すると、

これをx2次方程式とみると、は実数なので、2次方程式は実数解をもち、判別式Dについて、
より、
・・・F のとき、Aと同様に、となります(このとき、条件を満たすpqが存在すれば、このの最小値です)2次方程式は重解をもち、
 ∴
となるので、qを消去して、

(i) のとき、Fより、 (条件を満たします)
を結ぶ直線の傾きは、
(ii) のとき、Fより、 (条件を満たします)
を結ぶ直線の傾きは、
以上より、を最小とするkの値は、 または
(
) 0 () ......[]
の最小値は
() ......[]
別解.微分でやるなら、例えば、からx軸負方向に伸ばした半直線と円の中心と接点を結ぶ半径のなす角をθ として(を、を満たす角として、)、接点は
接線の方程式は、
整理して、
傾きは
y切片は
と連立すると、

 (積の微分法商の微分法を参照)
(αは、を満たす角、三角関数の合成を参照)は、
において、となるので、です。
は、より、
11を持ちます(三角関数を含む方程式を参照)
より、
または
または
 (2倍角の公式を参照)
は、の範囲に1を持ちます。
なので、
増減表は、
θ0




000



を最小とするkは、または
の最小値は
この解法では猛烈な労力を強いられます。


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