京大理系数学'08前期甲[5]検討

[5](解答はこちら) どんな問題集にも出ていて、理工系の受験生であれば一度は目にしたことがあるだろうという問題です。立体をy軸に垂直な平面で切った断面の面積をy軸方向に積分すればよい、ということは理工系の受験生であれば誰でも知っているはずのことです。問題そのものは標準問題なのですが、正答率が高いか、というとそういうものではありません。計算問題であるがゆえに、ケアレスが入り込みやすく、こういう問題の正答率は意外に低いものなのです。

これから微分・積分を極めよう、という皆さんに申し上げておくと、立体の切断面を考えるときは、その面積を求めやすい方向から立体を切ります。この問題では、
y軸に垂直に切ります。切断面は長方形になるので、面積を求めるためには、縦と横の長さを、切断面のy座標kで表します。縦と横の長さを求めるためには、立体を真上から眺めたり、x軸に平行に眺めたりします。それぞれ、どのように見えるのか、図示して考えるようにしましょう。
定積分は、断面積を、立体が存在する
y座標の範囲について積分します。

定積分は
2つの部分に分けられます。
片方は、
という積分です。この積分は、を含む式がついているという形:をしています。この場合は、通常、という置換をしますが、これでは、となり、根号内がとなっておもしろくないのです。そこで、とおけば、となって、計算しやすくなります。解答では、の積分よりももっとラクにしようということで、根号全体tと置きました。できる限り計算ミスをしにくいような計算法を心がけてください。
もう一方は、
という積分です。この積分は、という置換をするのが定石です。 というようにしても積分できますが、解答のように、 (2乗してみてください)は、円:の部分を表すので、円の面積の一部として暗算で求めてしまえば早くすみます。

こういう計算問題は、誰がやってもミスをし易いものです。計算ミスをしたからと言って、自分を責めたりしないようにしましょう。何が大切かと言うと、誰でもミスはするものだ、ということを認めて、しっかりと検算することです。検算も、計算をした直後に行うと、脳内が沸騰していて、検算時にまた同じミスをやるので、一旦、他の問題に飛んで、計算過程を忘れてから見直すようにするとミスを発見し易くなります。


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