京大理系数学'09前期乙[2]検討

[2](解答はこちら) 雑誌「大学への数学」に掲載されている受験報告によると、2009年度京大数学の乙問題の中では、この問題の出来が一番悪いようです。平面幾何の論証問題でかなり複雑な状況が想定されているので、試験会場で泥沼にハマってしまった受験生も多いと思います。
この問題では、かなりの受験生が次のように考えて行ったのではないか、と想像されます。
ABCが同一円周上であることから、同一弧上の円周角は等しいとして、,また、となる二等辺三角形であることから、,よって、であり、の二等分線、これでできた!と、歓喜するものの、P上に来ることがなかなか言えずにぬか喜び、ハマり込んだ末に背筋を冷や汗が流れる、ということになったのではないでしょうか。
P上に来ることを言うためには、pになることを言えば良いのですが、点Pの周囲の角が、などとうまく結びつかず苦労します。状況が複雑なだけに堂々巡りに陥るかも知れません。
論証問題で行き詰まってしまったときの対処法は二つ考えられます。
一つは、行き詰まっている原因、これが言えないから証明が先に進まないことがらが、仮に言えたと仮定して先に進み、中間点狙いで妥協すること。
もう一つは、あくまで完答を目指して論証の方針を転換することです。
後者については、方針を転換する際に、必ず、じっくりと問題文を検討し直すべきです。論証が行き詰まる、ということは、行き詰まるだけの理由があるのです。見落としている条件があるか、隠れている条件があるのです。本問では、「
BCPを通る円の中心」などとする条件設定を見落としやすいので、ここを再検討します。これはが三角形BCPの外心であることを意味します。外心は三角形の各辺の垂直二等分線の交点です。このポイントに気づけば、PBの垂直二等分線とPCの垂直二等分線の交点がであり、PBの垂直二等分線とPAの垂直二等分線の交点がであることをうまく使えないか、ということになります。
Pの周囲の角をいじっていてもうまく行きませんが、点Pの周囲の角をいじっているうちに、に気づければ、垂直二等分線となす角に着目して円周角の性質を利用することも見えてくると思います。
ハマり込んでいるときには、どうしても視野狭窄を起こしがちです。試験会場では、一度大きく深呼吸をして頭を切り換え、問題全体への視野を広げる努力をするようにしましょう。



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