京大理系数学
'10
年甲
[3]
検討
甲
[3]
(
解答は
こちら
)
本問は、角の最大をどうとらえるか、ということも課題ですが、直線と
x
軸とのなす角の正接を考えれば、関数
の最大値をどうやって求めるか、という問題に帰着します。
最大、最小の問題なので、機械的に微分してしまいがちです。
において、
では
,
では
,よって、
は
で極大かつ最大で、最大値は
となります。
微分による解法の場合、微分の計算が煩雑になることが多く、導関数が必ずしも見やすい形にならないこともありますが、時間をかければ必ず解答できるという安心感があります。ですが、面倒な微分の計算をし終わってから、別のラクな解法に気づいても手遅れです。
本問では、解答のように相加平均・相乗平均の関係
を利用するという技巧を用いることにより、煩雑な計算なしで最終解答が得られます。
但し、相加平均・相乗平均の関係では、等号成立条件
が必ず成立するというわけではありません。
例えば、
の最小値を求める問題で、
という条件がつくと、
の等号成立条件
,つまり、
が成立せず、最小値を求めることができません。
ですが、技巧がうまく使えない、ということに気づくのに大した時間はかからないでしょう。
従って、こうした最大最小問題では、最初から微分して後でラクな解法に気づいて後悔する、ということにならないように、まず、微分を使わない解法を試し、うまく行かなかったら、微分する、という方針で行くべきです。
ちなみに、本問では、
とおいて、分母を払い、
2
次方程式:
が実数解をもつ条件、
判別式:
より、
として、最大値
1
を求める、という解法もあります。
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