京大理系数学
'10
年甲
[5]
検討
甲
[5]
(
解答は
こちら
)
実力充分の受験生であれば、問題なくこなすことのできる問題ですが、これから受験準備を始めようという方が、この問題を解いてみてどう思うか、ということが気になります。
と
の交点を
α
として、積分計算をして面積
T
を求めると、
a
と
α
が混じった式になります。問題文では、条件を満たす
a
の値を問うているので、
T
を
a
だけを用いて表さなければ、最終解答に到達できません。そこで、
α
を
a
で表さないといけない、ということになるのですが、これがうまくいかない、というところが、この問題のポイントです。諦めの早い受験生だと、
α
を消せない、という時点で見限ってしまうかも知れません。
ですが、
T
の式に
α
が残っていると言っても、
,
という形で残っていて、
,
であれば、
a
を用いて表すことができるので、
α
を消去して、
T
を
a
だけを用いて表せるのです。固定観念にとらわれずに、ちょっと視野を広げてみれば、別の見方が見えてくる、ということだと思います。
実際には、学校や塾で教わって、一つの技巧の知識として持っているので、この問題はこうやればできる、として解答した受験生が多く、出題者の意図通りになっていないと思いますが、本来であれば、
教わっていなくても
、試験場で、
,
は
a
で表せている、ということに気づいて、解けて欲しい問題です。
こちらをご覧の皆さんに申し上げたいのは、本問では、
α
を
a
で表さないといけないという固定観念にとらわれないようにして頂きたい、ということです。自分は決めてかからないと解けない、と、思い込んでしまう受験生が多いのですが、一つの問題の見方を決めつけて見るようにしないで頂きたいのです。昨日はうまく行ったけれども、同じ方法で取り組んだら今日はうまく行かなかった、ということはよくあることです。野球の投手が毎日同じ攻め方をしていたら、バッターの方は学習してしまって、次に来るボールをあらかじめ予測してしまうようになる、というようなこともあります。受験生の大半がこういう考え方をするだろう、と思うと、出題者側は必ず裏をかいてくるのです。正攻法はこうだが、裏をかかれたらどうするか、裏の裏をつかれたら、という感じで、全ての問題の解法パターンをあらかじめ知識として持とうとするのは無理です。
試験会場で、異なる観点からものを眺めることができるように、いわゆる「常識」的なものの考え方だけで全てを見限ることのないようにしましょう。
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