線形計画法
いくつかの
1
次不等式:
,
,・・・,
の全てを満たすような
に対して、
の最大値・最小値を求めるという問題がある。
各
1
次不等式が表す領域の共通部分
D
を図示しておき、直線:
の
k
を動かして直線を平行移動させ、直線が
D
を通過するときの
k
の最大値と最小値を求めて、
の最大値・最小値を求める方法を、線形計画法と言う。
「線形計画法」は、もともとは、コンピューターを使って最適条件を求めるためのアルゴリズムの名前。
「線形計画法」と言う名前は、直線を境界線とする領域で考える問題を言うのですが、領域
D
は、必ずしも
1
次不等式の表す領域でなくても、領域を図示して、直線、あるいは、曲線が領域内を通過する条件を考えることにより、解ける問題はいくらもあります。
・
は、
とおいて、
k
を動かします
(
直線は平行移動します
)
。
・
は、
とおいて、直線:
の傾き
k
を動かします。
・
は、
とおいて、直線:
の傾き
k
を動かします。
・
は、
とおいて、原点を中心とする円の半径を動かします。
例
製品
X
を
1g
製造するのに、材料
1
を
4g
,材料
2
を
1g
,材料
3
を
4g
使い、製品
Y
を
1g
製造するのに、材料
1
を
1g
,材料
2
を
3g
,材料
3
を
3g
使う。材料
1
は全部で
24kg
,材料
2
は全部で
18kg
,材料
3
は全部で
27kg
ある。製品
X
,
Y
の価格を
1g
当たり、それぞれ、
10
円,
20
円とするとき、最も売り上げを増やすためには、製品
X
,
Y
をそれぞれ何
kg
ずつ製造するべきか。製品
X
,
Y
の価格が
1g
当たり
20
円,
10
円のときはどうか。製造したものはすべて売れるものとする。
解答
製品
X
,
Y
をそれぞれ、
xkg
,
ykg
製造するとします。
製品
X
を
xkg
製造するのに、材料
1
を
kg
,材料
2
を
kg
,材料
3
を
kg
使います。
製品
Y
を
ykg
製造するのに、材料
1
を
kg
,材料
2
を
kg
,材料
3
を
kg
使います。
材料
1
に関する条件は、
・・・@
材料
2
に関する条件は、
・・・A
材料
3
に関する条件は、
・・・B
また、
,
です。
これらの条件を全て満たす
は、右図で黄色に塗られた領域
(
境界線を含む
)
です。
AとBの境界線の交点
P
を求めると、
,
を連立し、
,
@とBの境界線の交点
Q
を求めると、
,
を連立し、
,
製品
X
,
Y
の価格が
1g
当たり
10
円,
20
円のとき、売り上げは、
万円です。
とおくと、傾きが
の直線を表します。
k
を動かして直線を平行移動し、
k
が最大のところを探すと、直線
が点
P
を通るとき
(
右図の赤色の直線
)
です。点
P
においては、
,
なので、製品
X
を
3kg
,製品
Y
を
5kg
製造するときに最大の売り上げ
万円が得られます。
製品
X
:
3kg
,製品
Y
:
5kg ......[
答
]
製品
X
,
Y
の価格が
1g
当たり
20
円,
10
円のとき、売り上げは、
万円です。
とおくと、傾きが
の直線を表します。
k
を動かして直線を平行移動し、
k
が最大のところを探すと、直線
が点
Q
を通るとき
(
右図の青色の直線
)
です。点
Q
においては、
,
なので、製品
X
を
kg
,製品
Y
を
kg
製造するときに最大の売り上げ
万円が得られます。
製品
X
:
kg
,製品
Y
:
kg ......[
答
]
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