東工大数学'02年前期[3]

空間内にある一辺の長さが1の正三角形ABCで、Aの座標がであり、BCz座標が等しいものを考える。点Lにある光源がxy平面上に作るこの正三角形の影の部分の面積の最大値を求めよ。

解答 正三角形ABCz軸のまわりに回転させても、xy平面上にできる影の部分の面積は変わりません。従って、正三角形ABCを回転させて、BCy軸と平行になる位置まで回転させて考えることにします。このとき、BCx座標は一致します。また、BCx座標が正になる位置で考えることにします。
何を変数にとって解くかということを考えなければなりませんが、この問題では、
BCの中点をMとして、
a) BCx座標をtとおく。
b) BCz座標をとおく。とするのは、BCz座標とAz座標との差異をtとおくという意味です。
c) 直線BMxy平面のなす角をq とおく。
などが考えられます。
この問題では、
a)b)c)どれで計算しても微分の計算はかなり大変です。変数の選び方で大きく計算時間に開きが出てしまうということもあるのですが、とりあえず、どれか一つの方針でさっと計算してみて、他の場合で計算するのとどれくらい違いが出るのかを推測してみるしかないでしょう。
実際に計算してみると、
c)は極値を出すのに苦労するので、この問題では不可です。
a)b)では、b)の方が若干ラクです。でも、これは実際に面積を立式してみないとわかりません。イチかバチかの勘がものを言います。
ただし、試験場で
a)b)c)のどれにするかに迷って時間を浪費するのは無意味です。ある程度の遠回りには目をつぶって力づくでやり遂げてしまうという感覚も必要です。
この問題では、
b)でやっても微分計算はかなり面倒なので、もっとよい計算法があるのではと思いたくなるかも知れません。不安ならa)b)c)全ての方法で面積を立式して、最良のものを選ぶのでもよいかも知れません。これくらいのムダを試験場でやるためには、計算速度の向上が必須です。理系諸氏は、展開・因数分解から微積まで、計算練習も綿密に行って頂く必要があります。
どの方法でも、計算の面倒さが違うだけなので、ここでは
b)でやっておきます。

BCの中点Mzx平面上の点で、y座標は0
より、BCy座標はです。
BCz座標をとおくと、正三角形ABCの高さなので、
三平方の定理より、BCx座標は、
よって、BCとして考えます。
直線
LBの方向ベクトル: (直線のベクトル方程式を参照)
直線LB上の点Pについて、より、と書けるので、Pとして、
直線
LBのベクトル方程式:
直線LBxy平面との交点Dにおいては、
 (より)
直線LAz軸に一致するので、xy平面上にできるAの影は原点になります。
Dx座標、y座標をとして、正三角形の影の部分の面積Sは、
とおきます。
です。

増減表は(関数の増減を参照)
t
0
1

影の部分の面積の最大値は、 ......[]

個人的には、こういう問題は、その場の運不運(微分計算の途中でマイナスをつけようと思った瞬間に誰かがクシャミをしてマイナスをつけ忘れた、とか)が点数に大きな影響を与え、点数が実力を反映しなくなるので、入試問題としては不適切ではないかと考えます。恐らく試験結果は計算ミスだらけの惨憺たるもので、正答者もほとんどいなかっただろうと推察します。


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