で割り切れないものを考えることになります。小さい方から挙げてみます。
25,50,75,100,
150,175,200,225,
275,300,325,350,
400,425,450,475,
525,550,575,600
の20個あります。4個ずつ5行に分けて書いたのは、125,250,375,500,625を除いているからです。次に、どうして20個になるかを考えます。1から625の中に25の倍数は、
個ありますが、このうち、125の倍数の
個を除くことになるので、
個ということになります。625を
,25を
,125を
に置き換えれば、

と解答することができます。
(2)では、1から625までの整数x,yに対し、その積
が
で割り切れるような組を探します。
(i)
のように、xが5の倍数だが
の倍数でないような数のときには、
が625で割り切れるために、yは、
の倍数であればよいので、125,250,375,500,625の5通りです。xの方は、(1)を使って、
通りあるので、
の組は、
組できます。 (ii)
のように、xが
の倍数だが
でないような数のときには、
が625で割り切れるために、yは、
の倍数であればよいので、25〜625の
通りあります。xは上記のように20通りあり、
の組は、
組できます。 (iii)
のような場合(xは4通り)は、yは、5の倍数で
通りです。 (iv)
の場合は、yは、1〜625の何でもよく625通りです。 (v)
のように、xが5の倍数でないときには、
だけで、1通りです。 以上の場合の
の組の数の総和を求めればよいわけです。
(ii)のような場合を取り上げて、5をpに戻すことを考えます。xが
で割り切れるが
で割り切れない数のとき、xは、(1)より、
通りあります。(ii)では
になりますが、「yが
の倍数」の指数の2は、
の2です。
になります。つまり、yは、
の倍数になりますが、
個あります。
の組は、
組(mによらない)できます。上記でも、(i),(ii),(iii),(v)はどれも、
組になります。
ところが(iv)だけ、
の組は
組できます。
のときだけ、別に考える必要があるのです。これで解答が書けるはずです。
上記のような検討を計算用紙上で行っても10分程度ですみます。問題のカラクリを理解するのに10分くらいかかるかも知れませんが、理解できてしまえば、10分くらいで答案にまとめられるでしょう。東工大の数学の試験時間は、4問で150分です。遠回りのように感じるかも知れませんが、上記のようにやっても、充分に試験時間内に解答できるのです。
東大、東工大の合格者の中には、もちろん、頭脳明晰な秀才も数多くいますが、私のような凡人で合格してしまう人間もいます。というか、凡人で合格してしまう方が8割だと言っても過言ではありません。
抽象的な難問は、難問のまま考えるのではなく、具体的な易しい問題に直してから考えれば、凡人でも難関大学を制することができるのです。
[2](解答はこちら) 放物線の接線とx軸とのなす角q を2等分する直線、とか、接線と角jをなす直線について考える問題を入試でよく見かけます。
すべて、正接に関する公式を使って処理できます(ベクトルの内積を考える人もいます)。
角q を2等分するのであれば、
角jをなすのであれば、
を利用することになります。たいてい計算のややこしい問題になります。
この問題もそうした計算問題の1つで、途中の計算は、なす角
ということもあって案の定ややこしくなります。ですが、面積は、
のとき、4という簡単な値に近づくのです。きれいな答に、なぜだろう!と感動します。出てきた結果に感動することが、数学を得意科目にする第一歩だと私は思います。
実は、この問題は一般的に考える方が、
が暴れず、計算が簡単にすみます。
放物線
の点A
における接線の傾きは
です。
この接線をAを中心に
となる角jだけ回転した直線を
として、
の傾きをm,
とおくと、
分母を払ってmについて解くと、
・・・@
の方程式は、
・・・A で、ここに
を代入すれば、(1)の答が出ます。
Aと
を連立すると、
∴ 
よって、
は、

との比をとると、
これで、
が一定値でありさえすれば、
でなくても、
のとき、
となることがわかります。
[3](解答はこちら) 解答は自然な流れに沿ってやってありますが、こうした問題では、より簡潔にまとめるのにはどうするか、ということも一つのテーマになります。
東工大の場合には、問題数に比して時間はたっぷりあるので、解答方針のところに時間をかけることもできるのですが、かと言って、簡潔な答案を書くためだけのために、1題30分も考えるのであれば、私は、多少手間がかかっても、自然な流れで望む方が安全だと思います。この辺は、個人の趣味の問題でもあるので、こうすべきだ、というようなことは言えませんが......。正八角形の問題なので、対称性を考えて整理すれば、自然に考えても、いくつかの類型に分けることができて、充分に試験時間内に入りきると思います。
(1)では、P,Qが隣接2辺にいて、Rが他の辺の上にあるとき、P,Qが1つおいた辺の上にいて、Rが他の辺の上にあるとき、を、考えれば十分です。Pのいる辺を固定すれば、場合分けはそれほど複雑ではありません。P,Qの位置に対して、Rがどこに来ると、三角形の面積が最大になるか、ほとんどの場合では容易に考えることができます。問題は、Pが
上、Qが
上にあって、Rが
上を動くときですが、PQ //
かどうかで場合分けすれば解決します。
(2)では、場合分けなしで解答する方法もあるようですが、私にはオーソドックスな考え方だとは思えません。オーソドックスに行くのでは時間がかかって試験時間内に完了できない、というのならともかく、(1)のように場合分けして考えれば、多少回り道でも、三角形の面積=底辺×高さ÷2で解決します。
(1)だけでも充分ではないかと思いますが、根性さえあれば小中学生でも取り組める全員参加型の入試問題で良問だと思います。
[4](解答はこちら) (1)は2曲線が接する条件:y座標同士が等しい、接線の傾きが等しい、を、考えるだけのことで、ゴタゴタしますが一本道の問題です。(2)の面積は、大変そうに見えますが、計算そのものは大したことはありません。面積を計算する図形が中途半端なところで切れているので、極限を求めるときに、はさみうちで味付けすれば、最終結果は汚い式ですが、容易に解答にたどりつけます。
この問題が、‘07年の4題の中では、最も差のついた問題だと私は思います。差のついたところは、検算をしっかりしたか、(2)の中途半端な部分をはさみうちできちんと処理しているか、の、2点だと思われます。誰でも計算ミスをします。中途半端なところは、何とか適当にごまかしたくなります。そこを手抜きをせずにきちんと仕上げたかどうかで'07年は大差がついたのではないでしょうか。
細かいことですが、指数に
という形が出てきます。このまま書いていると、書いている自分自身が見間違い易くなります。
などと置き直して、最終結果のところで入れ戻す、くらいの心がけをしてもらうと、計算ミスを防ぐことができると思います。こうした細かい計算の工夫は、日常から、自分のクセに合わせてよく考えておいてください。そうした心がけが、将来、社会の第一線で活躍するようになったときに生きてくるはずです。
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