東工大数学'07前期[1]検討

[1](解答はこちら) こういう問題を見たときに、いきなり解答のように、1からまでの整数の中で、で割り切れる整数を挙げていく、という方針で考えていくことのできる頭脳明晰な人は、それで構わないと思います。
ですが、なかなかそれについて行けない、という人の場合
(私もそうです)は、文字のまま、あるいは、抽象的なまま、問題を無理に考えようとせずに、以下のように考えるようにしましょう。
pのまま考えずに、pに具体的な数を当てはめてみるのです。では問題の状況がよくつかめないので、くらいにしてみます。

(1)では、くらいにしてみると良いと思います。1からまでの整数の中で、で割り切れてで割り切れないものを考えることになります。小さい方から挙げてみます。
255075100
150175200225
275300325350
400425450475
525550575600
20個あります。4個ずつ5行に分けて書いたのは、125250375500625を除いているからです。次に、どうして20個になるかを考えます。1から625の中に25の倍数は、個ありますが、このうち、125の倍数の個を除くことになるので、個ということになります。62525125に置き換えれば、

と解答することができます。


(2)では、1から625までの整数xyに対し、その積で割り切れるような組を探します。
(i) のように、x5の倍数だがの倍数でないような数のときには、625で割り切れるために、yは、の倍数であればよいので、1252503755006255通りです。xの方は、(1)を使って、通りあるので、の組は、組できます。
(ii) のように、xの倍数だがでないような数のときには、625で割り切れるために、yは、の倍数であればよいので、25625通りあります。xは上記のように20通りあり、の組は、組できます。
(iii) のような場合(x4通り)は、yは、5の倍数で通りです。
(iv) の場合は、yは、1625の何でもよく625通りです。
(v) のように、x5の倍数でないときには、だけで、1通りです。
以上の場合のの組の数の総和を求めればよいわけです。
(ii)のような場合を取り上げて、5pに戻すことを考えます。xで割り切れるがで割り切れない数のとき、xは、(1)より、通りあります。(ii)ではになりますが、「yの倍数」の指数の2は、2です。になります。つまり、yは、の倍数になりますが、個あります。の組は、(mによらない)できます。上記でも、(i)(ii)(iii)(v)はどれも、組になります。
ところが
(iv)だけ、の組は組できます。のときだけ、別に考える必要があるのです。これで解答が書けるはずです。

上記のような検討を計算用紙上で行っても
10分程度ですみます。問題のカラクリを理解するのに10分くらいかかるかも知れませんが、理解できてしまえば、10分くらいで答案にまとめられるでしょう。東工大の数学の試験時間は、4問で150分です。遠回りのように感じるかも知れませんが、上記のようにやっても、充分に試験時間内に解答できるのです。
東大、東工大の合格者の中には、もちろん、頭脳明晰な秀才も数多くいますが、私のような凡人で合格してしまう人間もいます。というか、凡人で合格してしまう方が
8割だと言っても過言ではありません。
抽象的な難問は、難問のまま考えるのではなく、具体的な易しい問題に直してから考えれば、凡人でも難関大学を制することができるのです。


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