東工大数学'08年前期[3]

いびつなサイコロがあり、1から6までのそれぞれの目が出る確率がとは限らないとする。このサイコロを2回ふったとき同じ目が出る確率をPとし、1回目に奇数、2回目に偶数の目が出る確率をQとする。
(1) であることを示せ。また、等号が成立するための必要十分条件を求めよ。
(2) であることを示せ。

解答 コーシー・シュワルツの不等式は証明なしに使っても大丈夫かも知れませんが、ここでは等号成立の条件も聞いているので、証明をしておく必要があります。

(1) サイコロを振って出た目がk ()である確率とします。
 ・・・@
です。
サイコロを2回振って同じ目が出る確率は(2回とも12回とも2,・・・)
です。
コーシー・シュワルツの不等式より、
として終わりですが、ここでは、コーシー・シュワルツの不等式: ・・・() を証明しておきます。

がすべて0のときは明らかなので、の中に0でないものがあるとします。
任意の実数xに対して、として、実数について、

この左辺をとおくと、2次関数が任意の実数xに対してとなるのは、2次方程式:が相異なる2個の実数解を持たない(重解または虚数解を持つ)場合で、判別式Dについて、

この不等式の等号成立は、が重解を持つことと必要十分であって、xがこの重解rであるとき、すべてのkについて、,つまり、,または、の中にとなるものがあればのとき。 (証明終)
注.つまり、()の等号成立は、すべてのkについて、と書けるときです。

()において、すべてのkについてとして、@を使えば、より、
等号が成立するための必要十分条件は、がすべて1で、の中に0になるものがないので、,つまり、 (いびつでないサイコロ)のときです。

(2) サイコロを振って奇数の目が出る確率をRとします。
 ・・・A
です。
サイコロを振って偶数の目が出る確率は、@より、
 ・・・B
となります。
サイコロを2回振って、1回目に奇数、2回目に偶数の目が出る確率は(独立試行の確率を参照)
 ・・・C (2次関数の最大最小を参照)
PQをひねり出すために、以下の式変形を考えます。

 ・・・D
コーシー・シュワルツの不等式()において、とすることにより、
 (左辺は0以上、右辺は正です)
これと、より、Dは、
 ・・・E
C,Eより、


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