東工大数学'09前期[3]検討

[3](解答はこちら) 問題文を一読した限りでは、格子点を数える問題に2次方程式の解の配置がからんでいていかにも複雑そうに見えます。解答では、こうした問題の常套手段で、の場合を考え、感じをつかんでから一般化する、という方針でやってあります。必要なら、とグラフを描きながら、格子点の数を数えても良いかも知れません。
しかしながら、
2次方程式をとして、放物線の軸の位置が、を満たしていて軸の右側だけ考えればよいこと、さらには、nm平面上で、の境界線が、N以上の解をもつ条件:の境界線から上に来てしまうことがわかってしまったところで拍子抜けします。東工大の試験会場でも、おかしいな、何かの間違いでは?と思って、問題を何度も読み返した受験生が少なからずいたと思います。
出題者が何かを勘違いしたのか、女性受験者数を増やすために試験問題を意図的に易しくしたのか、と、あらぬ疑いを持ってしまいます。
結局、台形状領域内の格子点の数を数える
(しかも、主要点が格子点になっていて場合分けの必要もない)だけのことで、などと考える必要すらなく、最初から一般的に考えても充分解答できます。
こういう問題でこわいのは、一見、複雑そうに見えるので試験中にパスし、試験終了後に、なんだ、簡単だったんだ、と気づくことです。
2009年度の東工大入試の場合は、ほとんどの受験生が時間を余したと思われるので、この問題をパスして涙を飲んだ受験生は少ないと思いますが、見かけによらず易しい問題もあるので注意してください。

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