東工大数学
'09
年
前期
[4]
検討
[4]
(
解答は
こちら
)
易しかった
2009
年度前期の東工大の数学の問題の中では、ハイレベルな問題です。ですが、よく勉強していて回転体の体積の基本がしっかりしている受験生にとっては何でもない計算問題だったと思います。
(1)
の誘導がなければ考え込むこともあるかも知れませんが、
(1)
が実に適切なヒントになっていて、手が止まることがなかった受験生も多数いたと思います。
(1)
では、平面の方程式の知識があると便利ですが、知らなくても、以下のようにすれば同様の対処ができます。解答では、
,
を原点と点
を通る直線に垂直なベクトルとして、平面のベクトル方程式:
・・・
(
*
)
を考え、
,
を
,
などと具体に想定して問題を考えていますが、
,
はベクトル
に垂直なので具体的に求めなくても
(
*
)
の時点で、両辺と
との内積をとってしまえば、
なので、
∴
となって平面の方程式が出てきます。ここで
とすれば、
という直線の方程式が得られます。
(2)
では、
xy
平面上の領域を回転すると言っても、回転軸に垂直な平面との交わりとなる線分を回転したものを考えればよい、その線分を
(1)
で求めているのだ、と、わかってしまえばあとは積分の計算問題です。
結局、線分を回転しようと、曲線を回転しようと、広がりをもつ平面図形を回転しようと、立体を回転しようと、やることは同じで、回転軸に垂直な平面で回転体を切るとき、回転軸から最も遠い点と最も近い点を探し出せば、あとは、外側の円から内側の円を取り除くだけのことです。
意欲的な受験生の中には、あらゆるパターンの問題を解いて、自分の頭の中で、このパターンは解法
A
,このパターンは解法
B
,ここがこう変形されると解法
B
ダッシュ、という具合に、パターンごとに完全に整理することを目標にしようと頑張る人もいます。ですが、私に言わせればそれはムダな努力です。回転体の体積を求める問題を
1
題解くときに、もし、線分を回転するのではなく、図形を回転するのだったらどうなるのだろう、立体だったらどうなるのだろうと、発展させて考えておけば、
5
題の問題を解く時間を、自分の趣味やクラブ活動やボランティア活動、あるいは学園祭の準備に使うことができます。そして、
5
題の問題を解いて
5
個のパターンの暗記で片付けようとするよりも、試験場ではるかに応用がきくようになるのです。
もちろん、数学の勉強でも大きなウェイトを占めるのはやはり基礎事項の暗記だと思います。回転体の体積をどう求めるか、置換積分をどうするか、置換積分のパターン、など、暗記の必要なことはいくらもあります。ですが、暗記の分量をできる限り減らす努力を行い、青春を謳歌する時間を確保することを考えるべきです。実社会に出てからも、マニュアル通りに片付かない状況にしばしば遭遇します。そうしたときに、マニュアルのパターンの中になかったからできなかったでは困ってしまう場合も出てきます。むしろ、勉強に限らず、自分の行動のパターンを広げておくことの方が重要だったりするのです。受験準備のうちから自分が持っている解法ライブラリの中で片付かない問題に出くわしたときにどう対処するか、というトレーニングをしておくのは大切なことです。
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