東大理系数学'05年前期[1]

に対しとする。
(1) に対しの第n次導関数は、数列を用いて

と表されることを示し、に関する漸化式を求めよ。
(2) とおく。を用いての一般項を求めよ。

解答 まずは、(1)ですが、これは単に微分してみるだけです。商の微分法の計算練習にちょうど良いです。ご覧の皆さんは、3次の導関数まで計算してみてください。
次のようになるでしょう。


これで、数列のはじめの3項がどうなっているかわかります。

運が良ければ、これで問題のアウトラインが読めてしまうこともあります。
細かいことは
(2)で考えることにして、
と書けること ・・・@ を示してみます。

(1) nは自然数なので、数学的帰納法で示すことになります。
(i) のとき、より、として、@は成り立ちます。
(ii) のとき成り立つとすると、と書けます。
これを微分すると、
ここで、 ・・・A とすれば、 と書けます。
よって、のときも、@は成り立ちます。
(i)(ii)より、全ての自然数nに対して、@が成り立ちます。

よく、" ・・・A とすれば"というのを、なぜ、こんな風におけるのか証明しなくてよいのか、と、疑問に思う人がいるのですが、これは、の値がわかっているときに、A式によって、の値を決めてください、これで、から出発して数列の各項の値を全て求めることができます、という意味です。
成り立つか成り立たないか、わからないことがらとしてAが出てきたのではなく、を微分してを求めてみたところ、確かめられていて証明する必要のないことがらとして、Aが出てきているのです。

に関する漸化式は、Aのknに書き換えて、

・・・B, ・・・C ......[]

(2) については、Cを見ていれば、,・・・・・・ とやっていけば、奇数番めで負、偶数番めで正なので、 とわかります。
これをBに代入すると、
・・・D

この漸化式は、教科書や参考書ではちょっとお目にかかれません。暗記しているテクニックを使ってパっと解けてしまうという漸化式ではないのです。
添字の番号を1つずらして差をとるとうまくこともありますが、Dではうまく行きません。
こういう変てこな漸化式では、だいたい、漸化式を利用して、,・・・・・・ と求めて行くと、感じがつかめます。うまく行けば、一般項の形が予測できて、あとは、数学的帰納法で証明すればよいのです。

ということが既にわかっているのですが、Dを使って、どういうカラクリになっているかを調べてみます。
Dでを代入してみると、
Dでを代入してみるのですが、としてしまわないで、を代入します。とやってしまうとカラクリに気づかないんですね。とにかく、結果を出そう、答を出そう、という風に思ってしまうと、大事なポイントが見えてこないんです。
これでは、まだ見えてきませんね。
Dでを代入してみると、
この辺で、という数列を導入する、というヒントを使うことを考えます。
の第1項に4がなく、第2項に3がなく、第3項に2がなく、第4項には1234がすべて揃っているというところから、で割ったらどうか、と、考えます。東大前期では、難解な問題でも、この程度のアイデアを出せば、8割がた、解決できます。
というわけです。これで、一般項を、
・・・E
と予測できるので、数学的帰納法で証明しておきます。

(i) のとき、となり、Eは成り立ちます。
(ii) のとき、Eが成り立つとして、
Dに代入すると、


よって、のときもEが成り立ちます。
(i)(ii)より、全ての自然数nについて、Eが成り立ちます。

よって、の一般項は、 ......[]


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