東大理系数学
'08
年
前期
[2]
検討
[2]
(
解答は
こちら
)
東大は他の国公立大学に比べると、やや確率は易しい気がします。この問題も、一見、漸化式を立てるようでいて、立てなくてもできてしまいます。
ただ、その分、勘違いなどでケアレスをし易いので、充分に注意して解答する必要があります。問題としては易しくても、正解するのは難しいのです。この問題でも、樹形図を書いて、
くらいの場合について、実際に確率を求めて確かめるような心がけをして頂かないと、泣かなくてはいけないことになりかねません。
(1)
は付録の問題で、
(2)
で見通しをつけさせるためのヒントになっています。
(1)
の時点で、同じことが
2
回の操作ごとに繰り返されること、白黒を入れ替えても変わりがないことに気づかないといけません。
将来、社会の第一線で活躍するようになり、新しい技術を開発するときに、旧来の技術を応用したり、同じような発想で取り組むということはよくあることです。また、事務作業の効率化を図るときにも、類似の作業をコンピュータ化することによって省力化する、ということもよくあることです。この問題は、そうした技術開発や効率化の手法を教えてくれている問題で、難関大学では頻出パターンです。
確率の問題では、状況が文章で書かれています。最初にすべきことは図示することです。どのような状態が起こりうるのか、状態間はどのような確率でどのように移り変わって行くのか、図を描いて見やすくします。
この問題、あるいは、漸化式を立てるような問題では、同じことが繰り返されているところがあるので、そこに着目します。
(1)
と
(2)
の違いは、考えるべき状態の数が
(2)
で少し多くなっていることと、
(2)
では繰り返しになる前に、
1
回目の@→Aが付いていること、です。
これがつかめれば、この問題は、ほとんど計算する部分もなく、落とせない問題です。
2
回繰り返した後の確率、
3
回繰り返した後の確率、
4
回繰り返した後の確率、くらいは、しっかりチェックするように普段からクセをつけておくとよいと思います。
また、
とした場合には、最終解答に
m
を残さないように、
を代入しておくのを忘れないように注意してください。
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