東大理系数学'08前期[3]検討

[3](解答はこちら) 問題文を読んだだけでは大変そうに見えるのですが、東工大'98後期[2](斜めになった円筒を回転)などに比べれば大したことはないと私は思います。(1)(2)の強力なヒントになっていて、回転軸から最も遠い点と回転軸との距離が断面の円の半径になるので、回転軸から最も遠い点が(1)の平面図のどこに来るか、というだけのことです。きちんと論述すると大変ですが、回転体の体積を求めるだけであれば、東工大'98後期[2]のような場合分けの必要もなく、東大の空間図形の問題としては、むしろ易しい部類です。大した問題でもないのに、難問だ、難問だ、と、思い込むと、本当に難問になってしまいます。
試験会場でこの問題を難問だと思い込んでしまった受験生は、正八面体はどういう立体なのか記憶になかったのではないでしょうか?参考書の受験技巧の中には、正八面体の性質とか、その鳥瞰図の描き方、など、あまり載っていないと思いますが、東大受験生は、受験技巧を極めよう、というのではなく、日常身の回りに起こる
森羅万象について関心を持っていて欲しいと思います。地球温暖化や少子高齢化問題など自分には関係ない、と思う受験生は東大を目指してはいけません。ここでも、正八面体の鳥瞰図の書き方が東大対策の受験技巧などとは、間違っても思わないでください。

(1)は、手前に見える正三角形をまず描いて、対称性から考えていけば、すぐにわかることです。なぜそう見えるのか、ということを、きちんと論述すると大変ですが、試験会場では、まずは、図だけしっかり書いておいて、時間の余裕があればあとで説明をつける、くらいで良いと思います。図を書くだけなら数分ですむでしょう。

(2)は、いろいろな解法が考えられますが、出題者が想定したのは、(1)の平面図を使って、余弦定理で断面の円の半径を求める、という考え方だろうと思います。ここでは、そのように素直に解答しました。(2)もきちんと論述するのは大変ですが、試験会場では、まずは体積を求めることを目標に、回転軸上に点P,辺AC上に点Qを、となるようにとり、としてAQを求め、PQ (断面の円の半径)を求める余弦定理の式と定積分の式だけ書いておいて、時間の余裕があればあとで説明をつける、という方針で行きましょう。これだけでは大幅減点必至ですが、答が合っていれば充分に合格ラインです。
解答では、辺
ACが回転軸に対して傾いているので、辺AC上の長さが実距離にならず、説明がわかりにくいかと思いますが、(1)の平面図上で見ている、ということに注意してください。わかりにくい空間図形の位置関係を平面図上に置き直して見ると、意外に簡単に考えることができるものです。


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