東大理系数学'08前期[6]

座標平面において、媒介変数tを用いて
     
()
と表される曲線が囲む領域の面積を求めよ。


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解答 グラフを描け、という問題だとしても充分におもしろい関数ですが、ここでは、面積を問われているだけなので、微分して増減表を調べたりすると、大きく時間をロスするので注意してください。面積を求めるのに必要な情報を得ることを優先するべきです。
この問題の解答としては不必要ですが、一応、
増減を確認しておきます。
 (微分の公式を参照)
t0

π

00000
x111

 (積の微分法を参照)
とすると、となりますが、においては、と、を満たすαβ について、3解を持っています。
t0
α
β
000
y0

0

結局、増減を調べても、グラフは描けません。凹凸や、のときのy座標など調べ出せば、どんどん時間をロスすることになります。
実は、グラフは右図のようになります。では、どんどん、上下に葉が連なっていく感じになります。

ここでは、グラフを描くことなく考えることにします。まず、曲線が囲む領域について調べます。

 ・・・@
において、です。
とすると、@においては、
このとき、
曲線は、
y軸と、4で交わります。
とすると、@においては、
この
3つのtの値に対して、いずれも、
とすると、@においては、
このとき、
とすると、@においては、で、
これで、グラフは@の範囲において少なくとも
4本に枝分かれして、1点に集まっていること、x軸とは以外の交点を持たないこと、と逆側のにおいて、4本のうちの2本ずつが1点に集まることがわかります。
@の範囲において、は、の範囲を
2往復するので、グラフは4本に枝分かれします。4本の枝は、@の範囲を分けて、
 ・・・A
 ・・・B
 ・・・C
 ・・・D
の部分の4本に分かれますが、この4本が交差するかどうかを調べておきます。
同一の
x座標におけるyの値を比較することになるので、とし、A,B,C,Dにおけるy座標を、とします。
A,Bにおいてより、
C,Dにおいてより、
として、はA,はBを動き、における
y座標を比較すると、
はC,はDを動き、におけるy座標を比較すると、
従って、A,B,C,Dの4本は、において交差せず、上から、の順に並び、曲線が囲む部分は、が囲む部分、が囲む部分の2つあることがわかります。微分してグラフを描く、ということをせずとも、これで、面積を求めるのには充分です。

面積を求めるにあたって、
4本の枝の各範囲A〜Dに両端を含めて考えることにします。が、においてx軸と囲む面積をとします。求める面積Sは、
です。では、と置換することにより、xのとき、tより、
 (定積分と面積置換積分を参照)
 (積和の公式を使用、三角関数の諸公式を参照)
同じような積分が出てくるので、
 (C:積分定数) (部分積分法を参照)
とおくと、
 (定積分を参照)
では、xのとき、tより、

 (の中のsinの項はゼロとなり、cosのみ残ることに注意してください)
では、それぞれ、xのとき、ttですが、と同様に、においても、は消えて、
......[]


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