東大理系数学'10年前期[2]検討

[2](解答はこちら) 解答にも書きましたが、07年前期[6]をやや易しくした問題です。難解な07年前期[6]と比べると、本問(1)のアイデアは、グラフを描き補助線をいろいろと引いてみれば試験会場でも気づけるだろうと思います。もし、気づけない、と、おっしゃる方がいるのであれば、漠然と現状肯定の生活で妥協してしまわないで、身の回りのことから細かい工夫を凝らすことを考えてみてください。
忘れ物が多い方は、忘れ物チェック・シートを用意して外出する前にチェックするようにしましょう。
興奮しやすく慌てふためいてミスを乱発する方は、驚くようなことが起きたときに一度大きく深呼吸するようにしましょう。
待ち合わせの時刻を守れない方は、日常的な行動に要する時間を調べて、待ち合わせ時刻から逆算して分刻みでスケジューリングをしてみましょう。
数学の解法パターンに習熟するだけでなく、こうした日々の工夫をする心がけが、試験会場でも、いろいろと試行錯誤し、アイデアをひねり出す意欲につながるはずです。
本問
(2)のポイントは、解答中の不等式D:
で、とした式を辺々加え合わせることにあります。隣接する項の和の中に打ち消し合うものがあって、和の先頭と末尾が生き残り、結果の形が得られる、という技巧を使います。また、本問では、(1)で得られた形を単純に加え合わせるのではなく、目的の形ができるように式変形しなければいけない、というところが壁になっています。こうした点は、91年前期[6]や、物理08年前期[3]などにも見られます。一ひねりで済まずに、もう一ひねり、さらに二ひねりする、という粘り強さが要求されます。ちょっと行き詰まった、というだけで諦めてしまわずに、何とか解決策を見出せないものか、こちらがだめならあちら、あちらもだめならさらにその向こう、という感じでどこまでも突き詰めていく気持ちが必要です。ここも、数学の難問に次から次へと挑戦していく、という数学的技巧の側面を磨くだけでなく、日常生活の中で不撓不屈の精神を鍛えましょう。

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