東大理系数学'10年前期[5]検討

[5](解答はこちら) 本問は、上手に解答しようと思えば、より鮮やかな解法を工夫することが可能な問題ですが、私は、こうした問題は、多少時間をかけても安全な手順で確実に解いていく方が実戦的だと思います。
解答では、シラミつぶしで調べる
k6通りに限って調べる、という方針で書いてありますが、という制約の中でに限られる、という方針で進めば、2通りですみます(解答中のB式を見ながら各自工夫してみてください)
試験会場で、
2通りの場合分けですむ解法を思いつければそれで解答すればよいし、6通りの場合分けが必要になってしまってもそれで解答すればよいのです。6通りを2通りですまないか、と深追いしてしまうと、6通りの場合分けで解答する時間の方が短かった、ということになりかねません。
ただ、もし、
50通りを調べなければいけないのだとしたら、これを10通り程度にできないか、工夫する必要はあるでしょう。
整数問題では、こうした見極めが重要で、日常的な学習の中で、この解法で解くとどれくらいの時間がかかるか、また、解法を思いつくのにどれくらいの時間がかかるか、という問題意識を持つようにして、模試を受けるときなどに試してみるようにしてください。
本問は、
[3]ほどではありませんが、問題文を見るなり即、整数問題と判断できるわけではなく、問題文を読解して何を考えるべきか、というところから始める必要があります。数学の入試問題は物理の入試問題に比べれば遙かに短文ですが、俳句や詩を読んで情景を思い浮かべるのと共通するイメージ力が必要で、東大数学では特に言えることです。理工系難関大を目指す諸氏は、国語の授業中に、俳句など関係ないと思い込んで居眠りをしてしまう、ということがないようにしてください。
本問はまた、より鮮やかな解法にこだわり過ぎたり、短時間であっさりと処理しようと焦ったりすると、題意の解釈に想定以上の多大な時間をかけてしまう、という失敗をしかねない問題だと言うこともできます。試験会場で、多少ヘタでも、多少時間がかかっても、制限時間内に合格ラインに届く点数が取れればよい、という割り切りをすることは、受験生が、将来、技術開発者・研究者として、限られた時間的予算的制約を受けて科学の第一線で活躍する上でも大切なことです。


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