を直角の頂点とする直角三角形となるという。以下の問に答えよ。
(1) 定点Rの座標および定数cの値を求めよ。
(2) 三角形PQRの外接円の面積の最小値と、そのときのtの値を求めよ。
[解答へ]
[3] 曲線
と
で囲まれた図形のうち、
をみたす部分の面積を
とする(
)。以下の問に答えよ。
(1)
をみたす定数p,qを求めよ。ただし、Cは積分定数である。 (2)
の値を求めよ。 (3)
の値を求めよ。 (4)
を求めよ。 [解答へ]
[4] nを正の整数とするとき、以下の問に答えよ。
(1) kを正の整数とする。関数
の
における最大値を
とするとき、
および
を求めよ。 (2)
,
を
において定められた連続関数とする。関数
,
,
の
における最大値をそれぞれ
,
,
とする。このとき0,
,
の大小を ≦ ≦
の形式で答え、その理由をのべよ。
(3)
を定数、
とし、関数
の
における最大値を
とする。このとき
を求めよ。 [解答へ]
[5] xy平面において、点
を中心とする半径5の円をC,点
を中心とする半径4の円をDとする。C,Dの共通接線のうち、C,Dが異なる側にあり傾きが正であるものを
,傾きが負であるものを
とし、C,Dが同じ側にあり傾きが正であるものをmとする。以下の問に答えよ。
(1) 直線
の方程式を求めよ。 (2) 直線mの方程式を求めよ。
(3) 三直線
,
,mのすべてに接しC,Dと異なる円をE,
とする。二円E,
の中心のx座標を求めよ。 (4) (3)の円E,
の半径を求めよ。 [解答へ]
各問検討
[1](解答はこちら) 易問なのですが、問題文の聞き方が非常に変わっているので、戸惑った受験生が多いだろうと思います。1の3乗根というありふれたテーマで、既存の受験技巧が当てはまらないような問題をよく考えつくものだ、と、出題者には感心するばかりです。
決められた手順やマニュアル通りに行動すれば何とかなる、という発想では、今の閉塞感が強い日本社会では生き抜けないのです。この問題では、体験したことのないような状況下に放り出されても、解決策をひねり出すことができるかどうか、ということが、問われています。
(1)は、「
であれば
」を示すだけで、「
,
のどちらかが成立する」と言えることに注意してください。
(2)は、
⇒
⇒
⇒
に気づいてしまえば良いのですが、一般的に、
としてしまうと、難しくなってしまいます。与えられた問題を素直にそのまま眺めるのではなく、視点を変えていろいろな角度から眺められるようにして欲しいと思います。
[2](解答はこちら) 行列の問題のようにも見えますが、この問題のポイントは、
から
として出てくる長々とした式:
を見てどうするか、という点につきます。こういう式を見ると行き詰まってしまい易いですが、「すべてのtの値に対して、
はPを直角の頂点とする直角三角形」という問題文の条件から、tに関する恒等式を作ればよいことに気づけば、この問題をものにできます。
恒等式の条件:任意のtに関して
⇒ 
を使いこなせるようにしておいてください。
[3](解答はこちら)
は、摩擦や抵抗によってだんだん振幅が小さくなる振動(減衰振動と言います)を表しています。
は、
(n:整数)でx軸と交わりますが、隣接する交点の間の曲線とx軸とで囲まれる部分の面積は、等比数列をなします。
本問では、
とx軸ではなく、
と
で囲まれる部分(nを整数として、
の部分)の面積
を考えていますが、数列
は、やはり、等比数列をなします。
面積計算に出てくる、
という形の積分は、普通は、部分積分を2回行って計算しますが、
を積分し
を微分、あるいは、
を微分し
を積分、いずれにしても、途中にマイナスがゴロゴロ出てきて計算ミスをし易いのです。私の経験から言っても、平均的な高校生では、この積分計算の途中必ずどこかでミスします。
早稲田の先生は、ほとんど正解者がいない事態を憂えたのだ思いますが、(1)のヒントをつけました。部分積分を2回やるよりも、微分した方が計算ミスのリスクは遙かに減ります。指数関数×三角関数の積分は頻出なので、この計算法は覚えておく方がトクです。
[4](解答はこちら) この問題は、ハマり易い、という点で、難問と言えるかも知れません。ハマってしまったときに、一つ考えて頂きたいのは、この問題は、自分の知らない高級な技巧を使うのだろう、と、思い込まないことです。自分の勉強不足で、自分の知らない知識があって、それを使うようになっているので、ハマってしまう、と、思い込んでしまえば負けです。逆に言うと、試験場でそういう気持ちにならないように、教科書に出てくるくらいの基礎事項については、自分には知らないことはない、と、言い切れるくらいの自信が持てるまで、しっかり基礎を固めておかなくてはいけない、ということです。
この問題のポイントは以下のようなところにあります。
2つの連続な関数
,
があって、
が
で最大値
をとり、
が
で最大値
をとるとき、
・・・@
・・・A となりますが、@+Aとして、
・・・B としたときに、
であれば、
のときにBの不等号の等号が成立しますが、
のときには、Bで等号が成立する場合がないことになります。いずれにしても、Bから、
の最大値
について、
が成立します。つまり、2つの関数の最大値は各々の最大値の和以下である、ということです。最終的には、和の形に表せる関数の最大値の極限をはさみうちの原理で考えるための不等式を導くところに、この考え方を使います。
しかしながら、では、「2つの関数の最大値は各々の最大値の和以下である」という事実が、早大理工を制覇するための必須受験技巧か?と言うと、そんなことは全く言えません。恐らく、早大理工は、こうした事実がポイントになる入試問題を今後50年間は出題しないでしょう。
大切なことは、「2つの関数の最大値は各々の最大値の和以下である」という事実は、入試会場で、受験技巧の記憶の中から引き出すのではなく、何もないところから思いつけなければいけない、ということです。まさに、このウェブ・サイトのChallenge from the VOIDの言葉通りのことを試験会場でやって欲しいのです。
もちろん、基礎知識なしでということではなく、教科書に出てくる最低限の基礎知識くらいはガッチリ固めてあっての話です。過去問を見るときに、早稲田には早稲田の匂いがするし、慶応には慶応の匂いがしますが、匂いを味わう程度にとどめて、決して、解法を暗記しようとしないことです。試験場で入試問題を前にしたとき、かつて類題を解いたときの記憶をたどるのではなく、新鮮な気持ちで問題を眺めて、その場で解法を編み出す、という感覚で見てもらえれば、この問題は決して難問ではありません。「2つの関数の最大値は各々の最大値の和以下である」ということくらいは、知識として持っていなくても、試験場で思いつけるはずです。
カラオケのレパートリーを増やすのと同じように、受験技巧をレパートリーを増やすのもまた楽しいことなので、暗記に走るな、とは言いませんが、必要以上に無理に自分の頭に詰め込もうとしないようにして頂きたいと思います。
[5](解答はこちら) 早大理工にしては珍しい、図形と方程式のよくあるタイプの問題です。図形的に相似比で行くか、直線の方程式から行くか、どちらにしても解法はよく知られているので、点と直線の距離の公式を使い、ひたすら計算していけば最終解答にたどりつきます。
途中で、

という形の式が出てきますが、両辺を2乗してしまうのでは損です。
,または、
のとき、
となります。
問題によっては、こういうところで大きく時間をロスすることもあるので注意してください。
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