早大理工数学'07[4]検討

[4](解答はこちら) この問題は、ハマり易い、という点で、難問と言えるかも知れません。ハマってしまったときに、一つ考えて頂きたいのは、この問題は、自分の知らない高級な技巧を使うのだろう、と、思い込まないことです。自分の勉強不足で、自分の知らない知識があって、それを使うようになっているので、ハマってしまう、と、思い込んでしまえば負けです。逆に言うと、試験場でそういう気持ちにならないように、教科書に出てくるくらいの基礎事項については、自分には知らないことはない、と、言い切れるくらいの自信が持てるまで、しっかり基礎を固めておかなくてはいけない、ということです。

この問題のポイントは以下のようなところにあります。
2つの連続な関数があって、で最大値をとり、で最大値をとるとき、
 ・・・@
 ・・・A
となりますが、@+Aとして、
 ・・・B
としたときに、であれば、のときにBの不等号の等号が成立しますが、のときには、Bで等号が成立する場合がないことになります。いずれにしても、Bから、の最大値について、
が成立します。つまり、2つの関数の最大値は各々の最大値の和以下である、ということです。最終的には、和の形に表せる関数の最大値の極限をはさみうちの原理で考えるための不等式を導くところに、この考え方を使います。
しかしながら、では、「
2つの関数の最大値は各々の最大値の和以下である」という事実が、早大理工を制覇するための必須受験技巧か?と言うと、そんなことは全く言えません。恐らく、早大理工は、こうした事実がポイントになる入試問題を今後50年間は出題しないでしょう。

大切なことは、「
2つの関数の最大値は各々の最大値の和以下である」という事実は、入試会場で、受験技巧の記憶の中から引き出すのではなく、何もないところから思いつけなければいけない、ということです。まさに、このウェブ・サイトのChallenge from the VOIDの言葉通りのことを試験会場でやって欲しいのです。
もちろん、基礎知識なしでということではなく、教科書に出てくる最低限の基礎知識くらいはガッチリ固めてあっての話です。過去問を見るときに、早稲田には早稲田の匂いがするし、慶応には慶応の匂いがしますが、匂いを味わう程度にとどめて、決して、解法を暗記しようとしないことです。試験場で入試問題を前にしたとき、かつて類題を解いたときの記憶をたどるのではなく、新鮮な気持ちで問題を眺めて、その場で解法を編み出す、という感覚で見てもらえれば、この問題は決して難問ではありません。「
2つの関数の最大値は各々の最大値の和以下である」ということくらいは、知識として持っていなくても、試験場で思いつけるはずです。
カラオケのレパートリーを増やすのと同じように、受験技巧をレパートリーを増やすのもまた楽しいことなので、暗記に走るな、とは言いませんが、必要以上に無理に自分の頭に詰め込もうとしないようにして頂きたいと思います。


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