早大理工数学'08[3]検討

[3](解答はこちら) 微分方程式が高校の教科書に載っていた頃の昔話ですが、関数方程式という分野の問題が入試によく出ていました。例えば、

富山大
'72
関数が任意の実数xyに対してを満たしている。 (ただし)のとき、次の(1)(2)に答えよ。
(1) を求めよ。
(2) を求めよ。
この問題は以下のように解答します。
(1) を代入して、 ∴ ......[]
(2) より、
よって、,∴ (C:積分定数)
より、 ......[]

同じように、を満たす任意の実数xyに対してであれば、
を代入して、 ∴
を代入すると、
 ∴
(C:積分定数)より、 ......[]

上記2題において、与えられた関係式は関数の性質を与えています。
は、指数関数の性質:
は、対数関数の性質:
を表しています。関数方程式の問題は、関数の性質から関数の形が決まってしまう、という、興味深い内容の問題で、私は、ぜひ、入試で大きく取り上げて欲しいと思っています。
そもそも、私たちの時代に高校数学の中で最も楽しかったテーマ「微分方程式」を、何を血迷ったか、高校数学の範囲外にしてしまった文科省官僚の不見識を嘆かざるを得ません。甲子園球児が、「野球を楽しもう」と言いながら熱戦を闘っている時代に、高校数学も「楽しく」勉強するようにできないものでしょうか。
の微積分とか、対数の底aのときには、真数の大小と対数の大小が入れ替わる、なんていう何の役に立つのかもわからないようなことで受験生いじめをやることこそ高校数学の範囲外にするべきではないでしょうか。

私は、関数方程式が現行課程で範囲外だとは思いませんが、出題者の中に遠慮があるのか、ほとんど取り上げられません。
[3]で取り上げた早大理工の勇気をたたえたい、などと言っては大げさでしょうか?
もっとも、微分方程式も出すぞ、と、宣言している京都大学は、昨年、
'07年理系前期乙[6]で、関数を求めよという問題にはなっていませんでしたが、
という関係式からの性質を考えさせる問題を出題していました。この早大理工'08[3]は、
という関係式からの形を求めさせるようになっています。最近の受験生にとっては、なじみがない、という点で難しく感じたかも知れませんが、(1)(3)は易問です。(4)は少し考え込むかも知れません。(2)の結果を繰り返して使えば、より、(3)の利用が見えてきます。ですが、正答率はあまり高くはなかったのではないでしょうか。


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