アンペール周回積分の法則

閉曲線Cで囲む面を電流Iが貫いているとき、C上の各点における磁界として、
これを、アンペール周回積分の法則と言う。

ビオ・サバールの法則を、電流の流れる経路Cに沿って線積分して得られる式:
 (ベクトル・ポテンシャルを参照) ・・・@
ここで、は、C上の電流素片の位置する点から、磁界を考えている点に向かうベクトルです。
ビオ・サバールの法則によれば、電流が流れると、電流の流れる向きを右ねじの進む向きとして、電流経路を磁力線が取り囲むように、右ねじの回る向きに磁界が発生します(この事実を「アンペール右ねじの法則」、単に「アンペールの法則」と呼ぶことがあります)

@の両辺を
1本の磁力線の経路となる閉曲線に沿って線積分してみます。Cに沿った線素と区別して、に沿った線素をとします(この辺の議論は、岩波講座・現代の物理学2「電磁力学」牟田泰三著の57ページにわかり易い解説があります)
 ・・・A
ここでは、は、の位置する点からの位置する点に向かうベクトルです。
ベクトルの公式:
(外積を参照)より、
ここで、曲線C上をが動き、閉曲線上をが動いてできる管状の閉曲面をUとすると、は閉曲面Uの面積素片 (向きは管状面から外に向かう向きになる)であって、2つの線積分を面積分に置き換えると、
右辺の積分は立体角を表していて、Aで、磁力線経路に沿って線積分している場合には、閉曲面Uの始点を含んでいるので、となります(実は、磁力線に沿う経路でなくても、その経路で囲む面を電流が貫いていればよい)

@の両辺を、磁力線の経路ではなく、電流経路Cを取り囲まないような経路について線積分する場合には、上記の管状閉曲面がの始点を含まないので、面積分はゼロになります。の始点から曲面Uを見るとき、近い側と遠い側とで面積素片が逆を向き、立体角を表す面積分が消し合うからです。

こうして、改めて磁界の線積分の経路となる閉曲線をC,線素をと書くと、
閉曲線
Cの内部を貫くように電流Iが流れているときには、
 ・・・D
閉曲線Cの内部を貫く電流が存在しない場合には、
となります。D式をアンペール周回積分の法則と言います。


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