熱気球   関連問題


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球状に膨らませた空気の袋の中の空気をバーナーで暖めることによって浮力を生じさせ滑空する装置を熱気球と言います。熱気球の問題では、密度を考慮する必要があるので、気体の圧力体積温度pVT,気体のモル数をn,気体定数をRとして、状態方程式密度ρが出てくる形に変形しておきます。アボガドロ数を,ボルツマン定数をk,気体分子1個の質量μ,気体の密度ρとして、より、状態方程式両辺をVで割って、
両辺にμをかけると、nモルの気体の質量で、です。よって、
 ・・・()
これを、熱気球用の状態方程式として記憶しておくと便利です。

大気圧,外気の温度密度,熱気球内の気体の温度密度(熱気球の下側は外気と通じているので、熱気球内の気体の圧力は外気と同じくです),空気1分子あたりの平均質量として、()より、
外気: ・・・@
熱気球内: ・・・A
さて、右図は、今まさに上昇しようとする状況です。重力加速度として、この状況で熱気球に働く浮力と、熱気球本体に働く重力,熱気球内の気体に働く重力の和とのつり合いより、
 ・・・B
@,Aより、,Bに代入して、

これより、熱気球内の気体をガス・バーナーで暖めるとき、熱気球が上昇を開始する温度は、
,窒素4酸素1の割合で混合されている空気の平均分子量は28.8で気体分子1個あたりの平均質量,ボルツマン定数とすると、より、熱気球が上昇を始める温度は、
となります。

熱気球内をよりもやや高い
温度にして上昇しているとき、上空の高さhのところで、大気圧となり密度,熱気球内の密度となり、再び力のつり合いが成立して、上昇の加速が止まるとします。実際には上空に行くと大気の温度が下がりますが、ここでは、地表と同じ温度だとします。()より、
外気: ・・・C
熱気球内: ・・・D
熱気球に働く浮力,熱気球本体の重力,熱気球内の気体の重力つり合いより、
 ・・・E
C、Dより、,Eに代入して、


熱気球内の温度とすると、

大気圧は高度1000m高くなるごとに約10%ずつ小さくなるので、αは、hとの間にほぼ、という関係があります。
より、くらいの高度までは熱気球が上昇を続けることになります。



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