水素原子のスペクトル


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太陽光をプリズムに通すと壁に色が分かれて見えることを実験で示したのは17世紀のニュートンです。以来、プリズムを通した太陽光の観測が行われ、1800年には、ハーシェルが可視光の赤色から外れるところに発熱作用があることに気づき赤外線を発見し、翌1801年には塩化銀の黒化作用(写真の原理)の研究からリッターが紫外線を発見しました。1814年には、フラウンホーファー(優れた光学機器製作者で、後に自ら制作した多重スリット回折格子を用いて回折現象を調べた)が太陽光のスペクトルに多数の暗線があることを発見し、このうちの目立つものにABC,・・・と名前を付け、暗線の波長を測定しました。フラウンホーファーは、D(二重になっていて、線、線と呼ばれる)が、ナトリウムを含む炎のスペクトルにおいて、同じ波長の輝線が存在することも調べていました。

1850年代後半に入り、アルカリ金属などの炎色反応を研究していたブンゼン、キルヒホフ(1850年以前になりますが、キルヒホフの法則を導いた物理学者)が、ナトリウムのD線は、太陽スペクトルの暗線としても、ナトリウムの炎色の黄色い光のスペクトルの輝線としても現れ、ナトリウムに吸収されるときには暗線となり、ナトリウムが光を発するときには輝線になると結論しました。こうして、元素は特定の波長の光を放出し吸収することが明らかになりました。2人が行った炎色反応による分析手法は、物質内の元素を特定する方法として確立され、1860年代に入り、2人はこの技術を用いて、ルビジウム、セシウムといった新元素を発見しています。この現象は後に、ボーアの原子模型によって説明されることになります。

スイス第
3の都市バーゼルの女学校教師だったバルマーは、水素原子から出てくる光の波長のデータ、6562Å,4861Å,4340Å,4102 (Åは、現在は使われていませんが、この波長を測定したA.J.オングストロームにちなんだ長さの単位で、1Å=)が簡単な整数で表される数列の項にならないかと考え、
Å () ・・・@
という式を見出しました(1885)。後に、の場合の紫外線についても、@の成立が確認されました。

スウェーデンのリュードベリは、バルマーの考え方を他の元素も含めて一般化できないかと模索し、水素原子から出てくる光の波長
λの観測データについて、となる自然数として、
 (はリュードベリ定数と呼ばれる定数) ・・・A
という関係式を導きました(1890)。バルマーの@は、の場合に相当します。水素から出てくるこれらの波長の電磁波を、バルマー系列と言います。
同様にAでの場合の波長の電磁波
(紫外線です)を、ライマン系列、Aでの場合(赤外線です)を、パッシェン系列、Aでの場合をブラッケット系列と言います。後に、水素以外の他の元素においても、元素から出てくる電磁波の波長の逆数が、整数の2乗の逆数の差として表され、AのRが定数となることが確認されました。ですが、なぜ、水素原子のスペクトルがAのような式に従うのか、当時の物理学では説明がつかず、これもボーアの原子模型の理論を待つことになります。


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