京大物理'07前期[1]検討

[1](解答はこちら) 大した問題のようには見えないのですが、細部を気にし出すと、なかなか意地悪にできている問題なので、試験場で錯覚してハマってしまい易い問題です。基本に忠実に考えていけば何でもないことであっても、基本から離れてしまうと、ミスし易くなります。本問のような問題では、混乱しそうになればなるほど、教科書に書かれている基本的な物理法則に則して考えるように努力して欲しいと思います。
問題は、
(3)()()ですが、グラフは、あまり深く追求せずに、()は、ばねの単振動だからC,()は、一定の動摩擦力が働くからB,()は、問題文に「物体が速度に比例し速度と逆向きの力を受ける場合、速度の絶対値は時間とともに指数関数的に減少する」というヒントがあるのでA,と直感的に解答してしまうのがよいかも知れません。あとは、グラフを見ながら考えて、単振動の周期と振幅を考え、等加速度運動の公式を適用すれば答えが出ます。
2は、「乗客が衝突によって感じる、水平方向の加速度の最大値」を求めよ、ということなので、問題文が何を要求しているのか、じっくりと考えてから解答する必要があります。たかが等加速度運動の問題なのですが、こうして実地のテーマを題材にすると、受験生には難しく感じるかも知れません。
よく、教育評論家が、大学入試は机上の空論ばかりを問題にしていて、現実的なテーマを扱わない、と、気安く批判するのですが、受験生が試験会場で取り組めるようなレベルの問題にするためには、問題にいろいろな制約をつけなければいけないので、どうしても机上の空論になってしまうのです。そうした意味では、実地に即した雰囲気を出すために、この問題の出題者も随分と苦労して作っているように思います。


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