計量テンソル


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ある座標系において、ニュートンの運動の第1法則(慣性の法則)によると、外部からを受けない物体は等速直線運動を続けます。こうした座標系を慣性系と言います。ある慣性系Kから見て等速直線運動する物体に付属する座標系もも慣性系になります。慣性系をガリレイ系とか、座標系がガリレイ的である、ともいいます。K系から見て系の速度が余りにも大きいときは、座標変換はローレンツ変換で考える必要があります。
アインシュタインの相対性の要請
(慣性系に対するものを特殊相対性と言います)によると、物理法則は、全ての座標系で同一の形(共変であると言います)に書かれる必要があります。ニュートンの運動3法則は、ローレンツ変換に対して共変ではありませんが、マクスウェルの方程式は、ローレンツ変換に対して共変です。ローレンツ変換では、(ガリレイ的)空間と時間とが混じってしまい、分けて考えることができないので、空間と時間とをまとめて、ミンコフスキー時空、とか平坦な時空と言います。空間だけの場合はユークリッド空間と言います。

これに対して、慣性系
Kから見て、加速度運動をしている系非慣性系と言います。非慣性系においても、見かけの(慣性力)の導入によって慣性系として扱う(Newtonの運動3法則で運動を考える)ことができます。但し、自分が慣性系にいるのか非慣性系にいるのかを判断することはできないのです。自分が椅子に座って物体の運動を眺めるとき、自分は慣性系にいる、と思っていても、地球は自転しているので、円運動(加速度運動です)をしている非慣性系である地球上で物体を眺めているわけです。地球も太陽の周りの公転しているし、太陽系も銀河系の中を回転運動しているし、どこに慣性系が存在するのかは、自分自身ではわかりません。そこで、アインシュタインの相対性の要請は、慣性系であろうが、非慣性系であろうが、物理法則は共変な形に表現されねばならない、ということになります。これを一般相対性と言います。

慣性系に対して
加速度運動している非慣性系は、慣性系のミンコフスキー時空に対して、リーマン空間とか、曲がった空間と言います。ところで、非慣性系では、一般相対性だけでは物理学を構築できないので、アインシュタインは、慣性力の考え方を発展させて、ある座標系K重力が存在しても、Kに対して加速度運動する座標系をうまく設定すれば重力の効果を消去してを慣性系にできる、という考え方(等価原理と言います)を導入して、一般相対性理論を作りました。これによると、時空内のある1(世界点と言います)の周囲に局所的に重力が働かないミンコフスキー時空(この系を局所慣性系と言います)を設定して、特殊相対性に基づく物理法則を構築し、他の座標系には一般座標変換と呼ばれる座標変換で法則を展開して行くことができます。

リーマン空間では、
2つの世界点の間の距離世界間隔と言います。微小に離れた2つの世界点の間の微小世界間隔2乗を、各座標毎の微小変位 (右上付き添字は指数ではありません。0は時間、1x座標、2y座標、3z座標を表す添字です)を用いて、
 ・・・@
と定義し、計量テンソルと言います。一般的には、座標系の曲がり具合を表す、座標の関数であって定数ではありません。アインシュタインは@のΣを取り外して、@を、
と書きました。上付きの添字と下付きの添字について、同じ文字λμが出てくる場合には、として加え合わせる、と約束しました。これを縮約と言います。
直交座標系では、として、三平方の定理より、

(,この式の2は指数の2です)
となりますが、このとき、,計量テンソルの他の成分は0です。
円筒座標系では、として、

(,この式の2も指数の2です) (座標系を参照)
となりますが、,計量テンソルの他の成分は0です。
球座標系では、として、

(,この式の2も指数の2です) (座標系を参照)
となりますが、,計量テンソルの他の成分は0です。
ミンコフスキー時空では、空間の
距離2乗から光が伝播する微小時間に相当する距離2 (c光速)を引いて、
となります。右上の添字がややこしいですが、カッコ内の右上の添字は指数ではなく、カッコの外の右上の数字は指数です。この場合は、,計量テンソルの他の成分は0です。なお、とは限りません。のとき世界間隔は時間的、のとき世界間隔は空間的、と言います。のとき空間的距離を光が時間かけて光速cで進んだことを意味します。

計量テンソルは、その定義@から、
λμの入れ替えでは値を変えず、行列で表現すれば4次の正方行列で、10個の独立な成分を持つ対称行列です。また、の逆行列で、
 (は単位行列、つまり、)
となります。



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