東工大物理'05年前期[2]

 図1のように磁束密度の一様な磁界中に、長さの金属棒MNが、ばね定数のばねで吊り下げられている。金属棒の両端には2本の平行な導体棒がついている。2本の導体棒は、固定された台に取り付けられた円筒状の金属端子PおよびQの中を、端子と電気的に接触を保ちながら摩擦なく鉛直方向に上下する。外部からの導線は固定された端子PQに接触する。この装置の内部抵抗はである。
磁界は金属棒と導体棒がつくる面に垂直である。金属棒は常に水平を保って動く。金属棒の下向きの変位をで表し、電流を流さないときをとする。

[A] 図1の装置を電流計として使うことを考えよう。
(a) 金属棒に電流を流したところ、金属棒の変位がとなって静止した。流した電流の向き(MからNの向きか、NからMの向きか)と大きさを求めよ。
(b) ばねを壊さないために、金属棒に流す電流がを超えると、それ以上金属棒が下がらないようになっている。金属棒の変位の最大値を求めよ。変位xが電流Iに対応するように、解答欄の図の目盛A0からまで20mAおきに目盛を記せ。
(c) 1の電流計と抵抗を用いて測定可能な最大電流を1Aとしたい。図2()()のどちらがふさわしい回路であるかを選び、必要な抵抗の値を求めよ。
[B] 図1の電流計を使って図3の回路を組み、未知抵抗を測定することを考えよう。電池の起電力はであり、内部抵抗は無視できるとする。スイッチSは初め開いている。測定する抵抗Rのときに電流計に流れる電流がになるように抵抗を設定した。
(d) 抵抗の値はいくらか。
(e) 次に未知抵抗Rを測定した。このとき電流計の読みからRの値が読み取れるように、解答欄の図の目盛B0からまでおきに目盛を記せ。
(f) 3の回路のスイッチSを閉じて未知抵抗Rを測定した。のとき、問い(e)で作った目盛Bから読み取った値を何倍すればRの真の値が得られるか。


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解答 [A](a) フレミング左手の法則より、の向き(親指)を鉛直下向き、磁界の向き(人差し指)を紙面向こうからこちら向きとして、電流の向き(中指)MN ......[] です。
金属棒に働く力のつり合いより、 ・・・@
......[]
(b) のとき、 ......[]
@より電流変位に比例します。を対応させて、xIが比例するように目盛をふります(右図)

(c) 電流計にはまでしか流せないので、過剰になる分流器に流します。回路は図2() ......[] を選びます。
分流器となる抵抗に、内部抵抗9倍の電流を流すので、とすればよく、 ......[]

[B](d) キルヒホッフ第2法則より、
......[]
(e) このときの電流計の読みIとして、キルヒホッフの第2法則より、

のときのとき()のとき()のとき()のとき()
これより右図。

(f)
15019より、には電流計を通る電流9倍の電流が流れます。従って、抵抗Rには電流計の読みの値の10倍の電流が流れます。10倍の電流が流れると言うことは抵抗だということです。
よって、
抵抗Rの真の値は、電流計の目盛Bから読み取った値の .....[]


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