東工大物理
'07
年
前期
[1]
検討
[1]
(
解答は
こちら
)
この問題は東工大の名にふさわしい難問です。ですが、高級な受験技巧を振り回す、という難しさではありません。この問題で扱われる基礎事項は、弾性力、弾性エネルギー、摩擦力、滑り出さない条件、単振動の運動方程式、単振動の周期・振幅・振動中心に関する基礎事項、等速度運動、そんな程度です。理系受験生にはお馴染みのものです。
[B]
では
2
物体の運動を扱いますが、慣性力や相対運動と言ったものも出てきません。にもかかわらず、
[A](c)
以降では、受験生はかなり苦しむと思います。
どこが難しいのか、と言うと、単振動の対称性に気づくことができるか、また、「箱が滑っている間の時間は、箱がベルトに付着して移動している時間に比べて無視できるほど短い」、「箱が滑り出してから付着するまでの時間は短く、その間のベルトの動きは無視できる」といった問題文で与えられている条件の意味するところを理解できるか、また、
2
物体の運動と摩擦力の状況を的確に把握できるか、というような点にポイントがあります。
こうした難解さに対応するためには、文章の読解力のみならず、詩や俳句の言葉の裏側に広がる世界を空想したり、小説で登場人物の微妙な心理の動きを探ったり、論説文で難解な言い回しの中から筆者の意図を把握する、といったことを日常的にやってくれていないと、東工大物理の入試問題文を読みこなすところで苦労することになります。東工大受験生の場合は、自分は理系だから国語の授業は居眠りの時間だ、などと言っていられないのです。目的意識が強すぎて視野狭窄にならないように注意してください。幅広い学力が要求されているのです。
特に
B[e]
では、ノー・ヒントで、
,
などの条件から、片方が滑り、他方は滑らない、という状況を考察しなくてはいけません。問題文からでは、バネ定数の間の関係に至る道すじも見えてきません。箱
1
の状況、箱
2
の状況、そして、問題文の指定、という具合に一つずつ丁寧に調べていくと、不等式が出てくる、という感じです。ここが切り抜けられなくても合格できると思いますが、切り抜けられれば、合格を確信できると思います。東工大制覇の秘訣は国語の学力にある、ということを、かみしめて頂きたいと思います。
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