東工大物理'07前期[3]検討

[3](解答はこちら) こういう問題が、物理の真の実力差が現れる問題です。ひょっとして、出題者は、入試問題として最適な問題はどういう問題か、ということを意識することなく、ふだん自分が使っている実験装置の仕組みをそのまま入試問題にしたのかも知れません。ですが、そういう問題だからこそ、机上の空論ではなく、実地に即した、真の物理の学力が問われる入試問題になったとも言えると思います。
波動分野はバラエティーに富んでいて、記憶するべきことも多く、また、各現象の原理がつかみにくい分野なので、どうしても、公式を丸暗記するだけの勉強になってしまいがちです。しかし、公式の丸暗記では、こうした問題には歯が立たなかっただろうと思います。「干渉」現象と同様に、この問題で「ある角度で再び時間差が
0になってしまう」と言っているのは、波では、同じものが次から次へとやってくるので、最初の1つと2番目、3番目では見分けられない、という、単純なことなのですが、公式の丸暗記だけの勉強をしてきた人には、何のことかわからなかっただろうと思います。波動現象というのはどういう現象なのか、干渉やドップラー効果はどういう仕掛けで起こる現象なのか、そのカラクリの方に興味をもって勉強してきた受験生は、いとも簡単にこの問題を解いただろうと思います。
光の干渉であれば、窓ふきのときにスプレーをかけてさっと拭けばすぐに色づいた干渉縞を見ることができます。
CDDVDに光をあてても見ることができます。どうして虹が見えるのか、どうして津波で局所的に大きな被害が出てしまうのか、バイオリンやギターの共鳴箱はどうして変な形をしているのか、そうしたことを、なぜ?どうして?と関心溢れる目で見て欲しいと思います。こうした問題で高得点できるかどうか、ということは、解いた問題の数や勉強量ではないのです。物理を関心をもって勉強しているかどうかで、この問題では大差がついてしまいます。

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