東工大物理'08前期[3]検討

[3](解答はこちら) 国語が苦手だから理系にした、とか、東工大志望だから学校の国語の授業は関係ないので無視する、と言っている受験生を見かけるのですが、そうした受験生には厳しい問題だったと思います。読解力が身についていない受験生は、[B]など、問題文が何を言っているのか全く理解できなかっただろうと思います。
東工大の物理の入試問題は、特殊な実験装置
(恐らく、出題者の教授がふだん使っている装置)を題材にした問題が多く、実験装置の動作を言葉で説明するとどうしてもわかりにくい文章になってしまいます。問題文が悪いから、自分はこの問題は解けない、と、言っているようでは、東工大の先生に、じゃあ、君を入れてあげるわけにはいかない、と、言われるだけのことです。何とか、わかりにくい問題文を読みこなしてこそ、理工系の最高峰を極めることができるのだ、と、自分に言い聞かせてください。

[B]は、領域Yで加速(または減速)されるので、領域Yを通過するごとに速さと回転半径が変化し、2回の加速(または減速)で打ち消し合うようにしなければならず、加速電圧が正負逆になるようにしなければいけない、粒子は不規則に次々と入射されるので、周回時間の間に交流の位相が逆位相にならなければいけない、ということに気づかないといけません。そのために、[A]で、速さと回転半径が変化し周回時間が変化しないことを確認しているのです。
のときとのときで逆位相になるようなグラフ、解答では簡単のために、となるようなグラフをいくつも描いて考えました。
ここが切り抜けられなければ、この問題は壊滅状態となり、
[1][2]が簡単で差がつかないので合格は難しくなります。つまり、国語の能力で東工大の合否が決まっている、ということです。東工大の志望者は、学校の国語の授業もぜひ大切にしてください。

[C]は、さらにわかりづらくなります。[B]としていたのを、だけずれたので、として、粒子が2周して戻ってきたときにどれだけスリット中心からずれるのか回転半径の差から求めてみよ、と、言っているのですが、ここまで取り組めた受験生がどれほどいたでしょうか?何のために[A]を考えたのか、ということをしっかりつかんで、解答のような図を描いて考えれば別に難しいわけではありません。試験場で冷静に題意把握ができるかどうか、ということが問われているのです。

この問題は、問題文の意味するところが読みこなせさえすれば、物理の問題として難問というわけではないのですが、状況の複雑さを読み取る読解力のところが難問という問題です。


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