東工大物理'10年前期[3]検討

[3](解答はこちら) 設問の仕方はやや変わっているのですが、内容的には気体の頻出問題です。気体分野を苦手とする受験生をよく見かけますが、状態方程式の方に関心が向かい過ぎていて、熱力学第一法則への意識が薄いことが理由のように思います。本問では、熱力学第一法則が重要なキー・テーマとなっています。熱力学第一法則:は、気体が吸収した熱Qが、気体がした仕事Wに使われ、残りは内部エネルギーの変化分になる、という法則です。お金の問題に直して言えば、もらったお金Qが使ったお金Wと貯金になる、という簡単な内容の法則です。必ずマスターし、実戦の場で使いこなせるようにしておいてください。断熱変化の場合に仕事を聞かれたとき、より、として仕事を求めますが、仕事と言っても、結局、温度変化を求めることになります。
また、本問では、熱の移動や熱容量もテーマになっています。熱の移動は、
Aが失った熱がBの受け取った熱になる、という極めて当然なことです。「熱容量」は、物体の温度を上げるのに必要な熱量、と言うとわかりにくいですが、要するに熱しやすいか熱しにくいか、ということです。人間でも、ちょっとしたことで頭に血が上ってカーと燃えたかと思うと次の瞬間にはさめている、という人もいますが、何をされても冷静沈着な人もいます。それと同じことです。
「物理法則」というと、まるで原子爆弾でも扱うかのような恐怖感を感じる人がいるのですが、高校の教科書に登場する物理法則は、いずれも、身の回りで日常的に起こっていて、常識的にとらえられるようなことばかりです。教科書傍用問題集で少し練習して慣れてもらえれば何でもないことなので、こわがらないようにしましょう。

[A](a)のポアッソンの式:は圧力pと体積Vに関する式なので、ポアッソンの式を立てると、状態方程式は立てない、と、勘違いしている受験生もよく見かけます。ポアッソンの式は状態方程式と相反する関係式ではなく、ポアッソンの式と状態方程式は連立して使うのだ、と、覚えておいてください。
気体分野は、入試物理の範囲の中では、覚えることが多く、それらを連携させて問題を解くので、敷居が高く感じられて毛嫌いされてしまう面もありますが、基礎事項をしっかりマスターしてしまえば、入試物理の範囲の中ではもっとも得点しやすい分野です。食わず嫌いにならないようにしましょう。



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