軸とする。ただし、電子銃、板、ワイヤの体積は無視してよいものとする。
T まず、電子銃から出た電子が板に直接与える力を求めよう。ただし、すべての電子は板に垂直に衝突し、板で反射されることなく吸収されるものとする。
(1) 電子銃から出て加速された1個の電子が、板に衝突する際に板に与える力積を、f,e,mを用いて表せ。
(2) 電子の流れ(電子線)によって生じる電流がIであるとき、板の表面に垂直に加わる平均の力Fを、I,f,e,mを用いて表せ。
U 次に、電子線を照射していない状態で、気体分子が板に及ぼす力を考えよう。状況を簡単化して、気体分子の1/3はx軸方向に、1/3はy軸方向に、残る1/3はz軸方向に、それぞれ同じ速さvで運動しているものとする。また、それぞれの軸方向に運動する分子の半数ずつは互いに反対向きに運動しているものとする。
(1) 単位時間に板の片側に入射する気体分子の数を、n,v,S,V,
を用いて表せ。 (2) 気体分子と板の衝突が弾性衝突のとき、気体が板に及ぼす圧力Pを、n,v,M,V,
を用いて表せ。ただし、板は十分重くて動かないものとする。 (3) 理想気体の状態方程式を利用して、vをM,
,Rおよび気体の絶対温度Tを用いて表せ。 (4) 実際には、気体分子と板の衝突は弾性衝突ではなく、むしろ完全非弾性衝突となることが多い。そのような気体分子は、板に衝突して板の表面に一旦吸着される。しかし、吸着された分子は再び表面から放出され、単位時間に板に入射し吸着される分子数と板から放出される分子数がつりあった状態になる。板の表面の温度が
であるとき、吸着された分子はU(3)のTを
に置き換えた速さで板の表面から垂直に放出されるものとする。ここでは
とし、入射するすべての分子が板とこのように完全非弾性衝突するとして、気体分子が吸着・放出によって板に及ぼす圧力を、n,v,M,V,
を用いて表せ。ただし、吸着による気体中の分子数の減少は無視できるものとする。また、板は動かないものとする。 V 電子照射によって板に間接的に加わる別の力を考えよう。
(1) 電子線を照射していると、入射電子の運動エネルギーによって照射面の温度
は反対側の面の温度
より、
だけ上昇する。この場合、単位時間に板に入射し吸着される分子数と板から放出される分子数がつりあった状態でも、両面に気体分子が及ぼす圧力に差が生じ、板には力f が加わる。その理由と力f の向きを答よ。ただし、板に入射する気体分子の温度Tと、電子照射面の反対側の面の温度
は等しく、電子線照射前と変わらないものとする。 [解答へ]
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