東大物理
'07
年
前期
[3]
検討
[3]
(
解答は
こちら
)
‘07
前期
[1]
、
'07
前期
[2]
とは一転して難問です。TからU
(1)
までは、経路差、干渉の条件を聞いているだけなのでスンナリ来ると思います。
問題はまず、U
(2)
です。問題文の言っていることがつかめるでしょうか?すき間内のある位置
から
P
点にやってくる波は、
(1)
より、
から
P
点にやってくる波と経路差
を持っていますが、この分だけ位相が進んでいます。振幅の違いを無視して考えると、
から
P
点に来る波が
だとして、
から
P
点に来る波は
です。問題文では、
をみたすすべての点から
P
点にやってくる波について、
の値が同符号になるような
w
はどうなるのか、と、聞いています。
から
P
点に来る波の変位がゼロとなる瞬間、と言っているので、
として考えると、
が同符号だということは、
,つまり、
ということです。
なので、
w
について、
となります。ここは、題意がつかめて正弦関数のグラフを思い浮かべれば、解答できるでしょう。
U
(3)
は、ほとんどの受験生が単スリットの干渉条件を考えてミスし、正解者はほとんどいないだろうと思います。高校物理の波動では、
2
波が干渉して強め合うかどうか、ということを扱いますが、多数の波が重ね合わされた場合に振幅がどうなるか、という波を積分したものは扱いません
(
強いて言えば、ホイヘンスの原理だけです
)
。ずーっとプラスのものを足し合わせれば増える、マイナスのものを足すようになると減る、というだけのことで、U
(2)
の意味を冷静に考えれば高校の範囲でできないわけではありませんが、ちょっと、入試問題として無理なのではないか、という気がします。
Vは、U
(3)
を用いて考えるので、U
(3)
をミスすると自動的にアウトになります。
結局、この問題は、題意を把握できるかどうかでU
(2)
の出来不出来が分かれる程度で、ほとんどの受験生がTとU
(1)
を正解、U
(3)
とVは不正解となってしまい、全く差がつかなかったのではないかと思います。
受験生の立場からすると、どうせ受験技巧的なものではU
(3)
は対処できないのです。教科書レベルの基礎事項をガッチリ固めて、得点できる問題は確実に得点をしておこう、ということになるでしょう。
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