東大物理
'08
年
前期
[3]
検討
[3]
(
解答は
こちら
)
この問題が、ことしの
3
題の中では最も頭を使う問題です。とは言っても、T
(1)
〜
(4)
は基本問題です。Uも物体の運動が単振動であることを示すときによく出てくる形なので、穏当な問題だと思います。基礎がしっかりしている受験生には何でもなかったでしょう。
問題はT
(5)
です。
[
別解
]
に市販本などに出ている方法、階差数列風の考え方による解答も書いておきましたが、これを物理の試験中に思いつけるでしょうか?思いつける受験生は立派だと私は思いますが、この問題の正答率がどれくらいなのか、東大に聞いてみたいところです。
私は、こうした問題では、微積分を使ってしまう方が易しいと思います。
が出てくれば、
,
として、
・・・D
が難なく得られます
(
これは変数分離型の
微分方程式
です
)
。右辺に
が出てくるので、普通は、この式を、逆関数の微分法の公式を用いて、
として積分し、
(
C
:積分定数
)
∴
(
,
)
などとすると思いますが、これでは、
となってしまって、
が残ってしまいます。何か忘れている条件があるのです。私は、ここではじめて、容器内の気体の量が
n
モルである、という条件に気づきました。階差数列の和のような考え方が思いつけたとして、この条件に気づけるでしょうか?問題文にヒントが欲しい気がします。容器内の気体の量が
n
モルという条件は、
と、表されます。これで、Dの形のまま、
S
をかけて
z
で積分すればよいだろう、ということになります。
もちろん、階差数列の和のように考えてきて、容器を
z
方向に
N
個に分けて、
とすれば同じことですが、
'08
前期
[2]
に親切な誘導がついているのと比べると、この問題は、ちょっと無理な気がします。多分、ほとんどの受験生はここをパスしてUに進んでしまっていると思うので、実質的な被害を受けた受験生はほとんどいなかったと思いますけれども。白状すると、私は、階差数列のような考え方を全く思いつきもしませんでした。
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