東大物理'09前期[2]検討

[2](解答はこちら) よく勉強してきた受験生にとっては何の変哲もない標準問題、という本問でも、これから受験勉強を始めようという人にとっては、なかなか厳しい問題です。数学に比べて物理は努力しても努力してもなかなか結果が出てこなくて結局息切れしてしまう、という受験生の声をよく聞きます。その原因は、本問のような問題では、電磁気の広範な分野に渡ってしっかり理解ができていないと大問1題を完答することができない、というところにあると思います。
本問では、磁束、電磁誘導の法則、レンツの法則、フレミング左手の法則・右手の法則、電力などの基礎事項を理解できているか、さらに付け加えて、磁場中を通過するコイルの運動が、終端速度に漸近する雨滴の運動と同様になる、ということを様々な問題を解く中で経験的に知っているか、ということが問われています。こうしたことは、
1週間程度、物理の教科書を読んで基礎的な問題集に載っている単発的な問題を解いてみた、というくらいでは、なかなか厳しいものがあるのです。従って、結果にすぐ表れないからと言って短気を起こしてはいけません。地道にコツコツと努力を続けていく必要があります。
本ウェブサイトでは、多数の過去問を掲載しています。できる限り多くの過去問に触れて頂きたいと思います。そして、過去問を見ていくときに、そこに貼られているリンクを一つずつたどりながら、基礎事項がどのように入試問題で使われているのか丹念にたどってみて頂きたいのです。こうした努力を続けているうちに、電磁気の基礎事項が一通り体得できて、それらの関連性などが把握できたところで、ある日突然、なんだ、この問題、簡単なんだなあ、と、思える日がやってきます。
教科書を一通り読んだ程度では、東大・東工大・京大などの過去問を自力で解こうとしても、どこから手を付ければよいのやら、ということになると思うので、最初から本ウェブサイトの解答を読んでしまうので構いません。本問であれば、磁束を求め、電磁誘導の法則から起電力を、オームの法則から電流を、さらに公式:から導線に働く電磁力の大きさを、フレミング左手の法則より電磁力の向きを求めて行く、というのは、定型的な流れなので、この流れに沿って基礎事項をマスターできればよいのです。
また、難関国立大などとても、という方でも、まず教科書をしっかり理解して、本ウェブサイトの解答を追いながら基礎事項の理解を深めて頂ければ、難関国立大のレベルは誰にでも手の届くところにあるのです。高い目標と強い意志をもって頑張って頂きたいと思います。


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