波動現象

空間内のある点で起きた変化が一瞬のうちに全宇宙に広がるとします。こういう宇宙では、ビッグ・バンが起きて宇宙が始まっても、一瞬のうちに宇宙の寿命が尽きてしまいます。
この宇宙が今なお続いている、ということは、空間内の一点
Pで起きた変化が別の一点Qに伝わるのに時間がかかるということです。
空間内の一点で起きた変化が有限の
時間をかけて別の点に伝わる現象を波動と言います。変化を伝える物質(もしくは、電界、または、磁界)媒質と言います。また、変化を最初に起こした点を波源と言います。この宇宙は波動現象を基本としてできているのです。
水面に小石を投げ込むと、小石が水没した点から円形の波が周囲に広がります。この波を水面波と言います。しかし、水そのものが周囲に広がるわけではありません。波だけが広がるのです。こうした現象が波動です。水面波では、媒質は水であり、小石が水没した点が波源です。光、電磁波では、媒質は電界、磁界です。世界の中心で「愛」と叫ぶときには、波動は音波で媒質は空気、波源は世界の中心ということになります。

高校の範囲では、波源に
単振動している物体があり、この波源から波動が広がる場合を想定して波動を考えます。波源の往復運動の1回分の振動に要する時間、つまり、単振動の周期が、この波動の周期になります。また、1秒間に振動する回数、つまり、単振動の振動数が、この波動の振動数になります(但し、波源と観測者の位置関係によって、変化します。ドップラー効果を参照)

高校で取り扱う波動現象においては、媒質の各点は単振動をしています。この単振動の変位を波動としての変位と考えます。媒質中のある点において横軸に時間tを縦軸に変位yをとったときのグラフを右図に示します。ytの関係は、
のように表せます。振動数fとして、角振動数です。d初期位相A振幅です。@式は、周期をTとして、
とも書けます。

縄の一端(波源)を持って単振動させると、縄を波が伝わっていきます。この状況を、横軸に波源からの距離x、縦軸に変位yをとったときのグラフを右図に示します。yxの関係は、
 ・・・A
のように表せます。このグラフが波動を目で見たときの状況を表します。グラフの形を波形と言います。右図のように波形が正弦のグラフになっている波動を正弦波と言います。変位が最大になる点を変位が最小になる点をと言います。隣り合う山から山までの距離を波長と言います。を満たす位置に山ができますが、その右隣にある山は、を満たす位置にできます。このとき、波長lは、
より、と書けて、波長lのとき、A式は、
と書けます。

山が1つしかないような波をパルス波と言い、山、谷が連続して続く波を連続波と言います。
波形が正弦波であるような波動では、媒質中の各点における単振動の方向と波の進む方向とは直交しています。こうした波を横波と言います。それに対して、右図のように、媒質の疎密が伝わっていくような波動があります。こうした波動では、媒質中の各点における単振動の方向と波の進む方向は同一です。こうした波を縦波、または、疎密波と言います。縦波では、波動の状況がわかりにくいので、右図のように変位を波の進行方向に対して垂直になるように横波に直して考える場合があります。つまり、縦波の正変位を横波の正変位に直し、縦波の負変位を横波の負変位に直して、縦波から横波の正弦波を書き、正弦波で考えます。


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